研究課題/領域番号 |
21K20511
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0403:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
梅津 将喜 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (30891387)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 微生物付着 / 生体材料 / タンパク質吸着 / 細胞接着 / DLVO理論 / 抗菌性 |
研究開始時の研究の概要 |
生体材料には「生体組織細胞への親和性」および「病原性バクテリア細胞への非親和性」の2つの性質が望まれる。 本研究では抗菌剤コーティングを必要としない物理化学的抗菌表面性状を持った生体材料の開発指針を得るために、コロイド粒子の凝集分散予測に用いられるDLVO理論によって「生体材料に対する細胞付着性タンパク質の吸着」,「タンパク質層に対するバクテリア細胞の付着」についてそれぞれ付着予測モデルを構築を行う。これにより、生体内で起きるタンパク質を介した組織細胞付着およびバクテリア細胞付着メカニズムの体系化を行う。
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研究成果の概要 |
本研究はコロイド粒子の凝集/分散を表すモデルであるXDLVO理論を利用し、生体環境における材料表面への微生物付着の体系化を目指した。生体環境では材料表面に血液成分が吸着するため、組織細胞や微生物細胞は有機物吸着層を介して付着する。複数の生体材料に対しXDLVO理論を用いて大腸菌の付着親和性を予測したところ、予測結果と実際の付着実験の結果が似た傾向を示した。また、これらの生体材料をウシ胎児血清に浸漬した結果、全体的に大腸菌の付着量が減少したものの付着傾向は維持されていた。したがって生体環境においても、材料の表面性状から微生物の付着特性を間接的に予測できる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では材料表面に形成する有機物吸着層に注目し、これらの吸着層が材料表面性状や微生物付着性に与える影響を評価した。これまで行われてきたXDLVO理論による微生物付着予測の多くは、きれいに洗浄し乾燥した材料の表面性状データを元に計算されていることから、生体環境のような雑多な環境における付着結果と差異が生じる原因となっている可能性が考えられる。また本研究において、微生物培養培地に浸漬した材料でも微生物付着性に変化が見られたことから、微生物の付着性を評価する上で微生物懸濁液に存在する有機物の種類や量についても考慮する必要があることが示された。
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