研究課題/領域番号 |
21K20516
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0403:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 (2023) 岡山大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
木村 聡 京都大学, 医学研究科, 助教 (50612636)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | カルボキシヘモグロビン / 体外式膜型人工肺 / 溶血 / ECMO / 小児 |
研究開始時の研究の概要 |
体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation: ECMO)は、循環不全や呼吸不全に対して有用かつ最終的な治療法として集中治療室で用いられているが、主な合併症の一つとして体外循環による血液の機械的損傷による溶血が問題となる。ECMO使用中の溶血の早期発見は早期介入という観点からは非常に重要であるが、ベッドサイドで測定可能な、簡便かつ迅速な検査は存在しない。 本研究は、溶血により産生された内因性一酸化炭素とヘモグロビンが結合したカルボキシヘモグロビンの、溶血のマーカーとしての有用性を評価する。
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研究実績の概要 |
体外式膜型人工肺(ECMO)は、循環不全や呼吸不全に対する切り札として用いられている装置であるが、その使用中の主な合併症の一つとして溶血が挙げられる。これは、血流の乱流や微小血栓、回路内陰圧によるキャビテーションと呼ばれる現象などを介して赤血球が損傷するためと言われており、腎臓などの臓器不全や凝固障害、死亡率と関連することが示されている。 カルボキシヘモグロビンは、外因性の一酸化炭素がヘモグロビンと結合した際に産生されるため、一酸化炭素中毒の際に計測されるマーカーとしてよく知られている。一方で、ヘムオキシゲナーゼによるヘモグロビンの正常な生体内での分解によってもカルボキシヘモグロビンが産生されることがわかっており、例えば新生児溶血の指標となり得ることが報告されている。そのため、理論的には、カルボキシヘモグロビンがECMO使用中の溶血を発見する上で、有用なマーカーである可能性がある。 そこで本研究は、研究課題の核心をなす学術的な「問い」として、「ECMO装着中の溶血のマーカーとしてカルボキシヘモグロビンが有用であるのか」を設定し、特に溶血のリスクが高い小児患者を対象として研究を行っている。 COVID-19のパンデミックにより予定よりは遅れているが、患者からの同意取得、データ収集は終了し、サンプル数も当初の予定通りである。 解析からは、カルボキシヘモグロビン濃度と溶血の間に強い関係は認められなかった。またh、メトヘモグロビンと溶血の間には弱い関連を認めた。現在、論文を作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19のパンデミックにより、研究開始とデータ収集が遅れたため。
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今後の研究の推進方策 |
現時点でデータ収集は終了しており、残るは解析と論文の作成である。
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