研究課題/領域番号 |
21K20517
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0403:人間医工学およびその関連分野
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
新居 輝樹 九州大学, 工学研究院, 助教 (90908419)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 薬物徐放 / がん / 3次元培養 / 組織工学 / 生体材料 / 3次元組織体 / ゼラチン / ドラッグデリバリーシステム / 三次元培養 / がん微小環境 / バイオマテリアル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、体内の複雑ながん環境を模倣した3次元組織体を構築し、がん細胞の生物学的機能を試験管内で簡便に評価できるin vitroモデルを開発する。具体的には、3次元組織体を構成する複数の細胞がスムーズに相互作用できる環境をドラッグデリバリーシステム技術によって提供する。本研究で開発する技術は、生体外で効率よくがん細胞の生物学的機能を評価できるため、創薬研究や疾患研究への寄与が期待できる。
|
研究成果の概要 |
本研究の目的は、3次元組織体内部まで酸素や栄養分を十分に供給できるゼラチンハイドロゲル粒子を作製し、生体内の組織環境を模倣することである。特に、ゼラチン粒子の徐放化システムも導入することで、生体内での成長因子の分泌の模倣まで試みた。はじめに、粒子に親水性のタンパク質を含浸させることで粒子の分解に依存して薬物が放出されることが分かった。また、そのタンパク質を含む粒子に対してさらに疎水性薬物を含浸させたところ、各々の薬物の放出スピードが遅くなることを明らかにした。この粒子を3次元組織体内部に組み込んだところ、腫瘍関連遺伝子の発現が増大していることが分かった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ディッシュやプレートといった単層での培養条件と動物の体内環境は大きく異なるため、新薬の効能に大きな差が生じてしまい、薬効や副作用を適切に評価することが難しかった。本研究で作製された3次元組織体は生体環境に近い性質を有しているため、新薬開発に大きく貢献できる。これは創薬の期間短縮、コストの削減、ならびに実験動物の最小化が期待できる。さらには動物を犠牲にしない動物代替モデルとしての可能性も秘めていることから、本研究が示す社会的意義は大きい。
|