研究課題/領域番号 |
21K20530
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
納戸 直木 名古屋大学, 学際統合物質科学研究機構, 助教 (20909949)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 水素化 / カルボニル化合物 / イリジウム / 光反応 / 機械学習 / 有機光増感剤 / カルボン酸 / 光触媒 / 有機材料 / 水素化反応 / フォトレドックス触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
グラフェン、フラーレン、カーボンナノチューブなどの炭素ナノ構造体を水素化することで得られる水素化炭素ナノ構造体は、高温超伝導体の原料となる有望な有機材料である。本研究課題では、共存する金属触媒の反応性を飛躍的に向上させる作用が知られている可視光触媒を活用し、 炭素ナノ構造体を効率良く水素化するシステムを構築することで、上記のような特異な性質を有する新規有機材料の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、光を用いた新しい触媒的水素化システムを開発することを目標としていた。最初に当研究室で以前開発されたカチオン性イリジウム錯体に光照射を行うことにより、熱反応に比べてマイルドな反応条件下でのカルボニル化合物の水素化反応が進行することを見出したが、同時に基質適用範囲は限定的であることが分かった。そこで、新規中性イリジウム錯体を開発し、熱反応ではあるが従来系よりも大幅に水素圧を下げた条件によるカルボン酸類の水素化反応を達成した。また光反応に欠かせない光増感剤の触媒活性を、機械学習によって予測する新手法の開発にも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カルボン酸類はバイオマス資源などにも豊富に含まれており、また二酸化炭素からも誘導可能であるなど、天然に豊富に存在する炭素資源であると言える。このようなカルボン酸類を燃料や医薬品等のビルディングブロックとして有用なアルコール類に変換する技術の開発は、脱石油化学を達成し、人類の発展の持続可能性を向上させる上で有用である。 また、優れた触媒や材料の開発に機械学習(AI)を取り入れることは、人的、金銭的、物質的資源を効率良く活用する上で不可欠である。本研究の成果は将来的に化学分野におけるデジタル化を促進する上で重要であると考えている。
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