研究課題/領域番号 |
21K20542
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
西村 涼 立教大学, 理学部, 助教 (00908634)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | フォトクロミズム / ジアリールエテン / 形状記憶効果 / マルテンサイト変態 / 有機結晶 / 構造相転移 |
研究開始時の研究の概要 |
形状記憶効果は、合金で稀に発現し、マルテンサイト変態温度以下での変形後、変態温度以上に加熱する事で、元の形状に回復する現象である。有機結晶で形状記憶効果を示す例が数件報告されているが、高温の加熱過程が必要である事が問題である。そこで、加熱によるマルテンサイト変態ではなく、光誘起マルテンサイト変態に着目し、室温でのマルテンサイト変態、そして形状記憶効果の実現を目指す。光は非接触かつ位置選択的な刺激を加える事ができる為、より複雑な形状記憶効果の実現が期待される。本研究が達成されれば、有機分子結晶を用いたソフトロボットへの応用のみならず、フォトメカニカル材料及び結晶材料の新たな学理の構築へと繋がる。
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研究成果の概要 |
本研究課題は、光で色が変わるフォトクロミック分子の結晶を用いて、光によって形状記憶効果を示す分子の設計と合成である。本課題の背景に、フォトクロミック化合物であるジアリールエテンの結晶に紫外光を照射すると、結晶中での光異性化に伴い、形状記憶効果の基となるマルテンサイト変態という相転移現象が起こることを報告した。その現象と分子構造の関係を明らかにするために、類似した構造をもつ分子を複数合成し、その光応答性を確かめた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究費を用い、いくつかの分子を合成、その単結晶の作成、光照射実験を行った。光照射実験により、背景にあるマルテンサイト変態を引き起こす例のような現象は観察されなかった。単結晶X線構造解析により、結晶構造を解析すると、一つの結晶が以前報告した結晶の結晶多形とほぼ同じ結晶系であることが分かった。今後、この分子の再結晶条件をいくつか検討し、目的の現象が確認されれば、マルテンサイト変態における分子構造と結晶構造の関係性を明らかにする事ができる可能性がある。この成果は、光で形状記憶効果を誘起する材料の分子設計指針となる。
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