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細胞外電子摂取と共役する細胞内代謝反応を切り口とした微生物電気的鉄腐食機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K20546
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
研究機関国立研究開発法人物質・材料研究機構

研究代表者

Deng Xiao  国立研究開発法人物質・材料研究機構, 高分子・バイオ材料研究センター, 研究員 (90903740)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード嫌気鉄腐食 / 硫酸還元菌 / 細胞外電子摂取 / 電子受容体 / 酸化還元電位 / エネルギー獲得 / 微生物電気化学 / 電気化学 / 電子伝達
研究開始時の研究の概要

酸素のない環境で起きる嫌気鉄腐食は、地下に埋設された鉄パイプラインを損傷し、工業化国で年間数百億ドルの経済損失を引き起こすため、腐食機構の解明と防食技術の開発が強く求められている。近年、硫酸還元菌が鉄から直接電子を引き抜いて腐食を進行させる「電気的鉄腐食機構」が報告された。しかし、腐食機構に関する既存の研究は、電子受容体が硫酸塩のみの条件下で行われてきたため、実環境中の多様な電子受容体が硫酸還元菌による電子引き抜きと腐食速度へ与える影響は全く不明である。本研究は、異なる電子受容体が腐食と電子引き抜きへ与える影響を初めて検討し、その機構を探ることで、鉄腐食機構解明と防食技術の確立へ貢献する。

研究成果の概要

海底や地下などの嫌気環境における鉄パイプラインの腐食は、エネルギー産業を中心に工業化国で年間数百億ドルもの甚大な経済損失を引き起こしている。嫌気鉄腐食の主因として硫酸還元菌が知られており、菌体と鉄表面との電気的相互作用が熱心に研究されてきたが、引き抜いた電子による電子受容体の還元に関する研究はほとんどなかった。本研究は、腐食細菌の電子受容体が二種類存在すると、鉄腐食と硫酸塩還元代謝が大きく加速することを見出した。この結果は新規な腐食菌検出キットへの応用が可能であり、特許化した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

実環境には豊富な電子受容体が存在するにも関わらず鉄腐食速度への影響は見過ごされてきた。本研究は、第二の電子受容体が硫酸塩と共存すると嫌気鉄腐食が加速されることを明らかにした。この知見は、短時間で腐食を探知する技術への応用も見込み、本研究の内容は腐食菌検出キットとして特許化している。さらに、実環境での速い鉄腐食に対する理解を深め、今後の防食技術の発展に貢献するものと期待される。また、本研究は硫酸還元菌による代謝についてエネルギー論的側面から分析することで、電子摂取と共役する電子のエネルギーを昇圧する機構も提案しており、貧栄養環境中における菌体の生存戦略への理解を深めている。

報告書

(1件)
  • 2022 研究成果報告書 ( PDF )

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公開日: 2021-10-22   更新日: 2024-01-30  

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