研究課題/領域番号 |
21K20547
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
日野 彰大 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (90908782)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 海洋生分解 / 光増感剤 / 活性酸素種 / 抗菌 / 活性酸素 / 抗菌性 / 生分解性プラスチック |
研究開始時の研究の概要 |
近年,プラスチックによる海洋汚染が深刻さを増している。その解決方法の一つとして生分解性プラスチックへの代替に注目が集まっている。しかし,一般に生分解性プラスチックは従来の汎用プラスチックと比べて,製品保管時および使用時にも分解が進むことで耐久性の低下が起きる場合が多いため,普及が遅れている。そこで,プラスチック表面に抗菌性を付与し,使用中の分解が抑制され,使用後破棄された場合にのみ生分解を開始する性質を持つプラスチックの開発を行う。本研究では,使用中の強い分解抑制機能を持つ生分解性プラスチックの開発を目的に,光増感剤を複合化した新たな材料の開発を目指し,そのメカニズムを検討する。
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研究成果の概要 |
交換反応法による光増感剤と生分解性プラスチックの複合化は可能であることを明らかにした。しかし,移行量が低いために生分解の抑制効果が明確に表れなかった。溶媒キャスト法によって作成した光増感剤コンポジットは,光照射によって発生した活性酸素によって分解菌を殺菌し,かつ菌体外酵素を失活させることで生分解を抑制していることを明らかにした。さらに,フィールド試験においても,太陽光に曝露した状態では分解が抑制される傾向にあることを見出した。また,試験時期や試験地によって分解抑制効果に大きな差が現れることも分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生分解性と耐久性はトレードオフの関係にあることから,実際の使用環境に耐えうる生分解性材料は極めて少なく,これらの両立が実用化に向けての大きなハードルとなっている。本研究の成果は使用時には分解されず,廃棄後に分解が進む「オンデマンド分解」型生分解性プラスチックの開発に資する知見を提供し,特定の環境でのみ分解が可能な生分解性スイッチング技術の発展に寄与するものと考えられる。
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