研究課題/領域番号 |
21K20555
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0502:無機・錯体化学、分析化学、無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
西岡 駿太 東京工業大学, 理学院, 特任助教 (60909464)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 色素増感 / ナノシート / 過渡吸収測定 / キャリアダイナミクス / 水分解 / 色素増感光触媒 / 酸化物ナノシート / 電子移動 / 過渡分光測定 / 粉末材料 / 水素製造 |
研究開始時の研究の概要 |
太陽光を利用したエネルギー変換方法の一つである、色素増感光触媒の効率向上に向けて、光励起キャリア移動過程の解明が求められている。 特に、効率を劇的に低下させる“逆電子移動”は、その抑制のために全容を理解することが重要な課題である。 本研究では、イオンの置換により、表面の状態を維持したまま、電気化学特性を変化することができる酸化物ナノシート材料を用い、反応系の構成要素の特性変化が逆電子移動に与える影響を明らかにする。 逆電子移動過程の変化と光触媒活性との相関を明らかにすることで、高活性色素増感光触媒の設計指針の構築を試みる。
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研究成果の概要 |
色素増感型光触媒を用い、光触媒反応に必要不可欠な助触媒などの表面修飾の影響に注目し、光励起キャリアダイナミクスの観点から調査することで、以下の成果を得た。 1)表面欠陥が光励起キャリアの逆電子移動に与える影響の解明、2)表面修飾による反応基質との反応性の制御、3)助触媒Pt粒子サイズによる光励起キャリア挙動への影響の解明、4)触媒反応に用いる還元剤の種類による電子注入・失活・逆電子移動の分離評価法の確立 以上の成果により、適切な色素増感光触媒を選定、表面修飾を最適化することで、表面修飾を施さない光触媒の100倍の水分解活性を達成し、緑色植物の光合成並みの太陽光エネルギー変換効率を実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、Zスキーム型の水分解システムで水分解効率を支配する逆反応の進行を表面修飾によって制御し、エネルギー変換効率の大幅な向上に成功した。この成果により、水分解反応には不適と考えられていた色素増感型光触媒に再び注目を集めることとなった。 開発した水分解反応システムは、多くの材料群で観測されている「強度の弱い光のもとでの効率低下」が起こらないこともわかった。本研究で見出した表面修飾方法は、産業界でも研究開発が行われている色素増感型太陽電池へ応用することにより、エネルギー変換効率向上に貢献することも期待できる。
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