研究課題/領域番号 |
21K20558
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0502:無機・錯体化学、分析化学、無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西久保 綾佑 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (10909188)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 光電変換 / 新概念デバイス / 波長応答 / 電荷ダイナミクス / 太陽電池 / 溶液プロセス / センサー / デバイス / 無機太陽電池 / ナノ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
新規光電変換材料であるBi, Sb系複合アニオン型(硫黄とハロゲンを含む)材料の新たな光機能、および未踏の構造・組成の開拓に挑戦する。代表者はこれらの材料を用いた光応答素子において、既存の素子では見られない特異な波長応答機能を発見した。これに注目してその機構解明と応用展開について研究を行う。また計算上優れた物性が期待されるものの、安定に得ることが難しい組成・構造を有するBi, Sb系複合アニオン型材料が存在する。これらを安定・高純度に得る手法(ナノ粒子合成等)を開拓する。
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研究成果の概要 |
独自開発したSbSI:Sb2S3光電変換素子における新奇な波長応答現象に着目し、その応答特性解明、メカニズム調査、素子構造変化による波長応答性制御に成功した。従来、光電変換素子はその原理上、素子単一では光の波長を識別できなかった。本現象それを可能にするものであり、イメージセンサの1セル多色化、小型化などの応用につながる期待がある。本研究では、上記の波長応答現象(WDPE現象と命名)の電気的機構を見出し、さらに応答速度や波長識別感度を向上する手法を見出した。さらに、素子構造を変えることで、波長-出力電圧依存性が逆転するといった新現象も新たに見出し、新規なセンサ技術のシーズを発掘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
代表者が発見したWDPE現象は、既存のデバイス物理では説明できない新現象であり、新たなデバイス駆動原理として基礎学術的に重要である。実際、シリコンなど既存の光電変換素子ではそのような波長依存性は現れず、非常に新奇性も高い。本現象の理解を深めることで、これまでにない波長識別素子の学理を構築できる。また応用面では、従来1セルで複数色を識別するには液晶カラーフィルタが必要であったが、本研究の成果を発展させればフィルターレスでの色識別が可能となる。ゆえにセンサーの小型化・高画質化に有用であり、社会的意義も大きい。
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