研究課題/領域番号 |
21K20560
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0502:無機・錯体化学、分析化学、無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
能登原 展穂 長崎大学, 工学研究科, 助教 (20908595)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 多孔性カーボン / 不可逆容量 / 全固体電池 / Liイオン電池 |
研究開始時の研究の概要 |
全固体リチウムイオン電池の高容量化のためにはSnO2などの高容量な充放電活物質を利用する必要があるが,これらは充放電に伴う大きな体積変化のため,安定な作動に至っていない。多孔性カーボンは充放電活物質を全固体電池に適用するためのホスト電極材料として有効であるが,多孔性カーボン自体が初回サイクルに過剰な充電(負極へのLi挿入)容量を必要とすることによる容量ロスが課題となっている。本研究では,充放電過程の多孔性カーボンの構造変化の追跡により,過剰な充電容量の原因を明らかとし,多孔性カーボンの構造を最適化することで,Liとの副反応を抑制した新たな多孔性カーボン系電極材料を創製する。
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研究成果の概要 |
全固体電池の高容量化に有効な多孔性カーボン電極材料は充放電の初回サイクルで不可逆容量を発現し,初回充放電効率が低いことが課題である。本研究では,不可逆容量発現の原因を特定し,その抑制を目的とした。不可逆容量の発現は電池セル内に微少量存在する酸素等の活性ガスや多孔性カーボンの表面に存在する酸素含有官能基がLiイオンと反応し,カーボン表面に析出することが主な原因であることがわかった。電池セル内の雰囲気制御や多孔性カーボンの表面官能基を水素終端することにより不可逆容量を大幅に低減することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多孔性カーボン材料はSnO2などの高容量活物質のホスト材料として有効であり,全固体電池電極として高い充放電特性を発現することが明らかとされている。しかしながら,初回充放電サイクルにおける不可逆容量が大きく,充放電効率の低さが課題である。本研究では,この不可逆容量の要因を特定し,初回充放電の効率を向上させることに成功した。これにより,多孔カーボン電極を用いた高容量でサイクル特性に優れた全固体電池の創製が期待される。
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