研究課題/領域番号 |
21K20565
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0601:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
逢坂 文那 北海道大学, 農学研究院, 助教 (90908485)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | microRNA / 腸内細菌叢 / 遺伝子サイレンシング / 腸管免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
microRNA(miRNA)による遺伝子サイレンシングはさまざまな生命現象に関与する。しかしながら、腸内細菌叢が腸管粘膜免疫に影響をおよぼす際のmiRNAによる遺伝子サイレンシングの役割についてはほとんど知られていない。申請者はこれまでに、腸内細菌叢の存在が、大腸粘膜固有層白血球のmiR-200ファミリーの発現を増加させ、それらの標的遺伝子であるBcl11b、Ets-1、およびZeb1のmRNA発現を抑制する結果、腸管粘膜免疫に寄与するインターロイキン2の産生を調節することを示唆した。本研究ではこのことを培養細胞および実験動物へのmiR-200ファミリーの遺伝子導入により直接的に証明する。
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研究成果の概要 |
これまでの研究により、腸内細菌叢の存在がマウス大腸粘膜固有層白血球においてmiR-200ファミリーによる遺伝子サイレンシングを促進する結果、腸管粘膜免疫の恒常性を担うIL-2産生を調節することを示唆した。本研究では、マウスT細胞株であるEL-4細胞へ合成2本鎖miR-200ファミリーを遺伝子導入することにより、このことを証明した。一方で、miR-200ファミリーの遺伝子導入により、免疫システムプロセスの遺伝子オントロジーを有する数種類の遺伝子の発現低下を観察したことから、miR-200ファミリーによるIL-2産生調節以外の免疫調節機構の存在が予想された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腸内細菌による腸管粘膜免疫の調節にmicroRNA(miRNA)による遺伝子サイレンシングが関与することはほとんど知られていない。本研究では、筆者らがこれまでに示唆した大腸粘膜固有層白血球におけるmiRNAの遺伝子サイレンシングを介した腸管粘膜免疫調節を、マウスT細胞株であるEL-4細胞を用いて直接的に明らかにした。このことは、腸内細菌が腸管粘膜免疫調節をはじめとする宿主の生理に影響をおよぼす際の、新たな細胞分子基盤の解明の一助となるものである。
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