研究課題/領域番号 |
21K20566
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0601:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
目黒 康洋 東北大学, 農学研究科, 助教 (10912157)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | amycolamicin / 抗生物質 / 有機合成化学 / 全合成 / 抗菌物質 |
研究開始時の研究の概要 |
感染症治療の研究現場では、相次ぐ薬剤耐性菌の出現により、日々、新たな脅威が突き付けられている。amycolamicin(1)は極めて広範な薬剤耐性菌に対して強力な抗菌作用を示す。さらに、2つの新規単糖ユニットと3つの構造ユニットが連なった1の構造は、有機化学的見地からも近年稀に見る挑戦的な合成標的である。そこで、各種誘導体の合成にも柔軟に対応できる収束的合成経路を開拓して1の初の全合成達成に挑むとともに、構造活性相関研究を実施することで、より有効で実用的な画期的抗菌薬の創製へと展開する。
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研究成果の概要 |
amycolamicin(1)の全合成研究を実施し、1の全合成を達成した。まず、1を三つのユニットに分割して合成し、各ユニットの連結とBユニットの構築を行って、アミンによる環状カーボネートの開環でカーバメート基を導入した。最後にアセチル化と保護基の除去により、1の全合成を達成した。構造活性相関研究に用いるため、1のAおよびABユニットの合成を実施した。Aユニットは、位置選択的なアセチル基の導入を実現し、数工程の変換を経て合成した。ABユニットは、Bestmann ylideを用いたBユニットの構築を鍵反応として実施し、合成を完了した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
感染症治療の研究現場では,相次ぐ薬剤耐性菌の出現により,日々,新たな脅威が突き付けられている。今まさに,交差耐性を生じにくい新規な構造と作用機序を持ち,新しいカテゴリーの抗菌薬の起点となり得る薬剤の開発が急務となっている。申請者は構造的にも作用機序的にも全く新規な理想的抗菌薬リードとして大きな注目を集めているアミコラマイシン(1)の収束的合成経路を開拓した。現在、得られた1及び1の部分構造を用いて、構造活性相関研究を展開しており、画期的な感染症治療薬の開発に繋げることで、相次ぐ薬剤耐性菌の出現という閉塞状況を打破できると考えている。
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