研究課題/領域番号 |
21K20567
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0601:農芸化学およびその関連分野
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
黒木 美沙 筑波大学, 生命環境系, 研究員 (20910904)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | アスペルギルス / 糸状菌 / マイコウイルス / 二次代謝 / 遺伝子発現 / 宿主特異性 / ウイルス / 相互作用 / DEGs |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、これまでその存在が見過ごされてきたマイコウイルスに目を向け、その感染による宿主糸状菌の表現型の変化の有無を評価することで宿主―ウイルスの組み合わせやその関係性を可視化することを主な目的とする。 将来的には、マイコウイルスカタログの作成によりマイコウイルスの感染と二次代謝産生の規則性を理解することで、マイコウイルスによる二次代謝産生のコントロールへの発展も予想される。例えば、糸状菌を用いた化合物の高効率な工業生産や、カビ毒生産菌のヴァイロコントロールへの応用など、社会に直結するような糸状菌二次代謝産生の制御技術に新たな視点を与え、大きなインパクトを生み出すと期待できる。
|
研究成果の概要 |
カビ類に感染するウイルスであるマイコウイルスが宿主に与える影響を、多数の宿主菌株を用いて解析し並列に評価することで、その多様性を理解することを目的とした。マイコウイルスの有無による表現型の違いは糸状菌株ごとのゲノム配列に由来する表現型の違いよりも小規模なものであったため、マイコウイルスは宿主の表現型のバリエーションを与える存在と捉えることができた。また、ウイルス交換株ではウイルスと宿主菌の組み合わせによりそれぞれ特異的な発現パターンを示していたことから、ウイルスが宿主に与える影響は非常に高い宿主特異性のもとに成り立っていることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マイコウイルスは長年宿主菌に対してほとんど影響を与えない存在として捉えられてきたが、近年、宿主の表現型を変化させる例が多数報告されており、糸状菌の表現型をコントロールできる可能性を秘めた因子として注目されている。本研究ではマイコウイルスと宿主糸状菌の関係性には高い宿主特異性が存在することを明らかにした。つまり、その組み合わせ次第で多数の宿主表現型のバリエーションを生み出すことができ、マイコウイルスを活用した糸状菌の機能強化や弱点克服への発展が期待できる。
|