研究課題/領域番号 |
21K20572
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0601:農芸化学およびその関連分野
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
池田 敦子 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 助教 (70909093)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 酵母 / Tricalbin / セラミド / 非小胞輸送 / 出芽酵母 / メンブレンコンタクト |
研究開始時の研究の概要 |
プログラム細胞死の制御因子であるセラミドは様々な疾患に関与する。一方で、“セラミドの輸送、代謝メカニズムの理解”は十分とは言えない。セラミドのオルガネラ間の輸送には「小胞輸送」に加えて「非小胞輸送」が存在するが、その詳細なメカニズムや生理的意義は不明である。申請者は、真核細胞で保存されたTricalbinがセラミドの非小胞輸送に必要であることを発見した。しかしながら、Tricalbinが直接結合するターゲットについて、実験的エビデンスは示されていない。そこで本研究では、Tricalbinを介した非小胞輸送のターゲットを明らかにし、非小胞輸送メカニズムとその生理的意義の解明を試みる。
|
研究成果の概要 |
細胞プログラムの制御因子であるセラミドは様々な疾患に関与する。しかしながら、“セラミドの輸送、代謝メカニズムの理解”は十分とは言えないのが現状である。真核細胞において、セラミドはその代謝過程で小胞体からゴルジ体へ運ばれる。セラミドのオルガネラ間輸送には、輸送小胞を介した「小胞輸送」の他に、オルガネラ膜同士の接触領域を介する「非小胞輸送」が存在する。本研究では、セラミド非小胞輸送に関与するタンパク質であるTricalbinの結合脂質解析を行った。また、セラミドの非小胞輸送には、脂質の貯蔵庫としての役割を担うオルガネラである脂肪滴が関与している可能性を見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞内の物質輸送経路において、小胞輸送については詳細なメカニズムまで明らかとなっている一方で、非小胞輸送について得られている知見は未だ多くない。本研究から得られた成果は、膜接触領域を介したセラミド非小胞輸送研究についての新規の知見をもたらした。また、セラミドは様々な疾患に関与しており、抗がん剤耐性となったがん細胞ではセラミド量が減少することから、その治療薬候補としても注目されている。したがって本研究成果は、薬剤耐性がんをはじめとしたセラミドが関与する疾患に対する治療薬開発に貢献すると期待される。
|