研究課題/領域番号 |
21K20574
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0601:農芸化学およびその関連分野
|
研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
木村 将大 岩手医科大学, 医学部, 任期付助教 (80910215)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | AMCase / Chit1 / Chitin / Chitin oligomer / 自然免疫 / 糖質分解酵素 / 炎症性サイトカイン / 真菌感染 / キチン / chitotriosidase / キチンオリゴマー / ほ乳類キチナーゼ / 生体防御 |
研究開始時の研究の概要 |
キチンは N-アセチル-D-グルコサミンが重合した多糖類であり,病原性真菌の細胞壁の主要な構成成分である。キチン分解酵素であるほ乳類キチナーゼ Chit1 は,マクロファージや好中球内に発現するが,その役割は不明である。これまでの,申請者の知見から,①生体内に侵入した病原性真菌をマクロファージが貪食し食胞が形成される,②食胞内で Chit1 が真菌細胞壁のキチンを分解する,③キチンオリゴマーが生成され炎症性サイトカインが産生を誘導し,自然免疫が増強される可能性が示された。本研究で,この作業仮説を証明し,ほ乳類キチナーゼの生体内における役割を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
キチンはアスペルギウスやカンジダなどの病原性真菌の細胞壁の主要な構成成分である。ほ乳類は2種類のキチナーゼ[ chitotriosidase (Chit1), acidic mammalian chitinase (AMCase) ]を発現している。キチンを化学処理して得られたキチンオリゴマーは自然免疫を増強する機能をもつことが報告されており,本研究ではこの知見からほ乳類キチナーゼが病原性真菌に含まれるキチンを分解し,その過程で生成されたキチンオリゴマーが自然免疫を増強すると仮説をたて,研究を行った。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
キチンはセルロースの次に豊富に存在する糖である。これまで,化学的処理によって生成されたキチンオリゴマーでは自然免疫の増強が報告されてきた。ほ乳類は生体内にキチンを分解する酵素を保有するが,それらがどのように病原体に対して機能するのか明らかになっていなかった。本研究で,ほ乳類キチナーゼが自然免疫を増強するキチンオリゴマーを生成することが明らかになれば,①ほ乳類キチナーゼの生体内での生体防御機構の一端を担うメカニズムが明らかになる,②豊富に存在するキチンの有効利用方法として,キチンオリゴマーでの免疫増強など利用方法の安全性を意味する,ことになる。
|