研究課題/領域番号 |
21K20578
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0601:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
井上 真男 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 助教 (90906976)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 呼吸鎖複合体 / ヒドロゲナーゼ / 分子進化 / 微生物ゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
始原的呼吸酵素複合体である呼吸型 [NiFe] ヒドロゲナーゼとミトコンドリアの呼吸鎖複合体 I は共通祖先から進化したと考えられている。しかし、始原的 [NiFe] ヒドロゲナーゼの登場以降、どのような進化プロセスを経て呼吸鎖複合体 I に至ったのかは謎である。本研究では、始原生物からヒトに至るまで呼吸の根幹を担う [NiFe] ヒドロゲナーゼ/呼吸鎖複合体 I 酵素群のタンパク質進化における「ミッシングリンク」を解明することを目指し、NiFe 活性中心を失った呼吸型ヒドロゲナーゼ様酵素複合体 Ehr の呼吸機能を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、始原生物からヒトに至るまで呼吸の根幹を担う [NiFe] ヒドロゲナーゼ/呼吸鎖複合体 I 酵素群のタンパク質進化における「ミッシングリンク」を解明することを目指し、NiFe 活性中心を失った呼吸型ヒドロゲナーゼ様酵素複合体 Ehr の呼吸機能を明らかにすることである。全原核生物ゲノムのバイオインフォマティクス解析により、Ehr が第 3 の呼吸鎖複合体 I 型酵素サブファミリーであり、環境微生物に広く保存され、電子伝達やプロトン輸送に関与する可能性を示した。さらに、Ehr を有する培養株の培養条件の最適化や遺伝子欠損株の作製など生理機能解明に向けた基盤構築に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
始原生物が有していた [NiFe] ヒドロゲナーゼが、いかにしてその活性に必須である金属活性中心を失い、NAD を補酵素とする呼吸鎖複合体 I に進化したのかは生物進化における大きな謎の 1 つであった。本研究では、呼吸鎖複合体 I とは異なる進化を遂げた第 3 の呼吸鎖複合体 I 型酵素サブファミリーの存在を世界に先駆けて明らかにすることに成功した。得られた生物情報資源は新たな研究シーズとなることが予想され、応用微生物学や進化生物学の発展に大きく貢献する。
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