研究課題/領域番号 |
21K20583
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0602:生産環境農学およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 (2022) 奈良先端科学技術大学院大学 (2021) |
研究代表者 |
安達 広明 京都大学, 農学研究科, 特定助教 (60909513)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 植物免疫 / 免疫受容体 / NLRタンパク質 / エフェクター / 細胞内局在 / 分子ネットワーク / NLR |
研究開始時の研究の概要 |
植物には、細胞内の異なる場所にNLR免疫受容体があり、それらの受容体が病原体分子を認識し免疫システムを活性化させる。近年、植物のNLR免疫機構の新しい概念として、異なる機能を持つ複数のNLRが協調してはたらくNLRネットワークモデルが提唱されている。しかし、植物細胞内でNLRが“いつ”、“どこで”活性化し、免疫応答を誘導するかはほとんど明らかになっていない。本研究では、ナス科植物のNLRネットワークに着目し、複数のNLRの活性化前後の細胞内局在を調べることを目的とする。ネットワークを構成するNLRの細胞内ダイナミクスを明らかにできれば、植物のNLR免疫機構を理解することに繋がる。
|
研究成果の概要 |
植物細胞には、細胞内の異なる場所にNLR免疫受容体があり、病原体分子を認識し免疫システムを活性化させる。近年、機能分化した複数のNLRが機能する受容体機構(NLRネットワーク)が見出されている。しかし、植物細胞内で複数のNLRが“いつ”、“どこで”機能し、免疫システムを駆動するかは未解明である。本研究では、ナス科植物のNLRネットワークに着目し、複数のNLRタンパク質の活性化前後の細胞内局在を調べた。本解析により、病原体認識に特化したセンサーNLR、免疫誘導に関わるヘルパーNLR、およびNLRネットワークの機能制御に関わるモジュレーターNLRの活性化前後における細胞内局在変化が明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、病原体認識前後のNLRの細胞内局在パターンとその変化を明らかにした。受容体ネットワークを構成する複数のNLRの時空間的細胞内ダイナミクスの解明は、植物のNLR免疫分子機構を理解することに繋がる。NLRが活性化すると細胞死を伴う免疫応答が誘導されるため、活性化後のNLRの細胞内局在を評価することは技術的に困難であるとされる。本研究では、NLRタンパク質の細胞内安定性を損なわずに細胞死誘導能を抑制したNLR変異体を活用した細胞内局在解析系を構築した。本解析手法は、幅広い植物種のNLRに対して適応可能であり、今後、様々な植物のNLR免疫機構を分子レベルで理解することに繋がると期待する。
|