研究課題/領域番号 |
21K20589
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0603:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高谷 直己 北海道大学, 水産科学研究院, 助教 (40801501)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 海洋性カロテノイド / フコキサンチン / フコキサンチノール / 慢性腎臓病 / カロテノイド生体内代謝物 / 炎症 / 線維化 / CKD / 抗炎症作用 / マクロファージ / 慢性炎症 / 腸腎連関 / 腸内細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性腎臓病(CKD)は生活習慣病を背景に発症する慢性炎症疾患で、透析や腎移植が必要となる末期腎不全のみならず、心筋梗塞など心血管イベントの発症リスクを高めるが、未だ有効な治療法は確立されていない。本研究では、食による発症予防の観点から、抗炎症作用など多様な健康機能を示す海洋性カロテノイドに着目する。褐藻由来フコキサンチンをCKDモデルに投与し、腎機能低下や腎炎に対する抑制効果を明らかにする。さらに、腸内細菌叢や腸バリア機能への作用特性を明確化し、海洋性カロテノイドによる腸腎連関制御を介したCKD抑制機序を解明する。本研究の完遂は、CKDに対する治療法確立や機能性食品開発のための基盤知見となる。
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研究成果の概要 |
慢性腎臓病誘導マウスに対して、海洋性カロテノイド・フコキサンチンを摂取させることにより、腎臓中の炎症・浸潤関連因子および線維化関連因子のmRNA発現レベルの増加が抑制されることを見いだした。各種培養細胞を用いた試験から、生体内代謝物のフコキサンチノールが、腎臓-免疫細胞間の炎症性相互作用を負に制御することを介して線維化を抑制する機序が推察された。さらに、他の海洋性カロテノイドであるアスタキサンチンが、培養腎臓細胞に対して抗炎症・抗線維化作用を示すことを見いだした。本成果は、特徴的な分子構造を持つ海洋性カロテノイドが、腎臓の炎症や線維化への予防作用を示す食品因子である可能性を示唆するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性腎臓病(CKD)は生活習慣病を背景に発症する慢性炎症疾患で、有効な治療薬はないため、食品因子による炎症制御を介した予防方策の開発・拡充が求められている。本研究では、CKDモデルマウスにおいて、海洋性カロテノイド・フコキサンチンの生体内代謝物が、腎臓中の過剰な炎症応答を負に制御することで線維化の進行を抑制する可能性が示唆された。また、培養腎臓細胞を用いて、抗炎症および抗線維化作用を示す食品因子探索のためのアッセイ系を確立した。本研究成果は、海洋性カロテノイドがCKDの発症予防に働く可能性を示すとともに、有望な食品因子を発掘するための技術創出を通して、CKD予防方策の拡充に資するものと考える。
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