研究課題/領域番号 |
21K20595
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0603:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
松井 啓晃 関西学院大学, 理工学研究科, 博士研究員 (60904109)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 無機栄養輸送 / 海洋環境応答 / 環境応答 / 海洋性ケイ藻 / 二酸化炭素 / 無機炭素輸送体 / 光合成 / CO2 |
研究開始時の研究の概要 |
海洋性ケイ藻は地球上の炭素固定の約20%を担っており、環境のCO2濃度に応じて、光合成に必要な炭素源の輸送経路を変化すると考えられている。しかし、どのようにケイ藻がCO2応答するか、その詳細機構は完全に明らかとなっていない。これまでに、低CO2環境において、ケイ藻の細胞膜で重炭酸イオン輸送が促進されることが明らかとなっているが、それ以外の輸送経路は未解明である。本研究では海洋性ケイ藻の新奇CO2輸送体を同定することで、環境CO2濃度が変化したときの無機炭素流路の制御機構を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、海洋に広く繁栄するケイ藻の新奇CO2輸送体を探索し、環境変化にどのように応答するかを調べることで地球の物質循環のしくみを紐解くことを目的とした。ゲノム情報から輸送体候補を探索し、細胞内のどこで機能するかを調べ、細胞膜であることを示した。また、どのような環境で機能するかを遺伝子発現の変化から予測した結果、CO2、重炭酸イオン、リン酸、またはアンモニアを輸送する可能性が高かった。そこで、実際に遺伝子組換えケイ藻を用いることで、重炭酸イオンまたはリン酸を輸送するタンパク質を明らかとした。これら新奇輸送体の発見は環境変化をケイ藻がつぶさに感じ取り適切に対応していることを強く示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環境CO2の増加を受けて、海洋に広く生息する珪藻の光合成能を理解し、制御することで、ブルーカーボンを増加させることが求められている。今後、更なる海洋酸性化により海水中のCO2濃度は変化することが予測されている。しかし、現在のところ海洋におけるCO2輸送の仕組みは完全に分かっておらず、どの程度の吸収量になるかは不明である。本研究では、珪藻がナトリウム塩を多く含む条件でCO2のままではなく重炭酸イオンとして取り込むこと、また同様の環境でリン酸を積極的に取り込むことを示した。これらの結果は、海水の塩濃度によって無機栄養の取り込み経路に違いがあることを示唆しており、今後社会実装の際に有益な知見となる。
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