研究課題/領域番号 |
21K20596
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0603:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
|
研究機関 | 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 |
研究代表者 |
白根 ゆり 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 産業技術環境研究本部 エネルギー・環境・地質研究所, 研究職員 (50911054)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | クマ / 農作物被害 / 栄養状態 / 食性 / 糞内容物分析 / DNA個体識別 / 画像解析 / ヒグマ / 採食生態 / 農作物 |
研究開始時の研究の概要 |
北海道内の農地周辺および森林の2地域に調査地を設定して自動撮影カメラを設置し、撮影した画像からヒグマの栄養状態を評価する。また、併設したヘア・トラップで該当個体の体毛を採取し、遺伝子解析により個体を識別する。さらに、農作物の利用状況を把握するために新鮮なヒグマ糞を収集して内容物を分析するとともに、遺伝子解析により栄養状態を評価した個体との照合を行う。これにより、農作物利用の有無によって、ヒグマの栄養状態の季節変化パターンがどのように異なるのかを明らかにする。
|
研究成果の概要 |
本研究は、ヒグマの栄養状態が農作物利用の有無によってどのように異なるのかを明らかにすることを目的とした。渡島半島の農地周辺と森林の2地域を調査地として、ヒグマの糞内容物を分析し、晩夏(8~9月)の採食物が地域間で大きく異なることが明らかとなった。両地域で自動撮影カメラの画像を用いてヒグマの栄養状態を評価した結果、農作物を利用する農地周辺のヒグマの方が、晩夏の栄養状態が良好であることが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先行研究により、子グマの死亡率が晩夏に最も高くなることや、母グマの栄養状態がよいほど翌年の繁殖成功率が高くなることが報告されており、農作物がヒグマの栄養状態を回復させることを明らかにした本研究の成果は、農作物利用がヒグマの生息密度を高める一因となることを示唆している。今後研究をより発展させることによって、ヒグマの個体群動態に影響する要因の解明や、人とヒグマの軋轢の軽減にも大きく寄与することが期待できる。
|