研究課題/領域番号 |
21K20601
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0603:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
鈴木 博史 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(南勢), 任期付研究員 (40909636)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ニホンウナギ / 卵成長 / 卵成熟 / 生殖腺刺激ホルモン / 卵形成 |
研究開始時の研究の概要 |
ニホンウナギは、飼育環境下では自然に生殖腺が発達しないため、人為的な性成熟誘導が必要である。近年、本種の2種組換え生殖腺刺激ホルモン(組換えGths)を用いた性成熟誘導が可能となった。これまでの研究成果から、2種の組換えGthsには特異的な作用が存在し、卵質や卵形成の進行速度に対して異なる影響を及ぼすことが明らかとなっている。そこで本研究では、これらに着目した解析を進めることで、卵形成における2種組換えGthsの機能を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、ニホンウナギの性成熟誘導方法の違いが卵質と卵形成の進行速度に及ぼす影響を明らかにするため、異なる催熟方法で得られた異なる卵質の排卵卵と各発達段階の卵濾胞を分析した。排卵卵のメタボローム解析とトランスクリプトーム解析の結果、卵成熟過程において黄体形成ホルモンは、アミノ酸や糖の代謝経路と減数分裂やスプライソームに関わる遺伝子の発現を制御していると示唆された。加えて、これらの代謝経路と遺伝子発現は、卵質にも影響すると示唆された。また、性成熟誘導に用いるホルモンの種類に関わらず、卵形成の各発達段階で卵黄・油球取り込み関連遺伝子の発現に変動が見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
異なる催熟方法で得られた異なる卵質の排卵卵を解析した結果、卵成熟過程において黄体形成ホルモンは、アミノ酸や糖の代謝経路と卵母細胞の減数分裂やスプライソームに関わる遺伝子の発現を制御し、これらの代謝経路と遺伝子発現は卵質に関連することが示唆された。本研究で、卵質に関連した黄体形成ホルモンの作用を明らかにしたことは、学術的にも意義は大きい。また、これらの結果をもとに、ニホンウナギの性成熟誘導方法を最適化することで、ニホンウナギ人工種苗生産技術の確立に貢献できると考えられる。
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