研究課題/領域番号 |
21K20606
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0604:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
高田 亜沙里 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 研究員 (40912069)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 流域水管理 / 降雨流出モデル / 貯水池操作 / 気候変動 / 水需給バランス / 分布型降雨流出モデル / 貯水池操作規則の最適化 / 統合流域管理 / 水文モデル / 最適化手法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,データ寡少な東南アジア流域の治水面・利水面の効果的な問題解決に向けて,多目的貯水池群の統合管理による貯水池操作計画(ルールカーブ)の最適化手法を開発する.6つの多目的貯水池が配置されているベトナム南部のサイゴン-ドンナイ川流域を対象とする.分布型降雨流出モデルと低平地タンクモデルの組み合わせにより,貯水池群の下流域における洪水被害と水不足量を定量的に評価し,それらの最小化を目的関数として,治水・利水のバランスが取れた各貯水池のルールカーブを作成する.さらに,全球気候モデルから得た複数の予測シナリオに基づき,水リスクを回避するための多目的貯水池群の統合管理プロトコルを提言する.
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研究成果の概要 |
東南アジア新興諸国では洪水や渇水が頻発しており,治水と利水の両視点における高度な流域水管理が急務である.水問題の効果的な解決に向け,多目的貯水池群の統合管理によるルールカーブ最適化手法の開発,および気候変動下における水リスク回避のための貯水池群の統合管理プロトコルの提言を目的とした.複数の貯水池を組み込んだ分布型降雨流出モデルを構築し,乾季・雨季の流出変化や貯水池の貯留・放流操作を考慮した流出計算を可能にした.また,気候変動下における水資源量や水利用時期の変化が水需給バランスに及ぼす影響の評価手法を提案し,特に利水リスク回避を目指した貯水池群の統合管理プロトコルの構築に向けた基盤を固めた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
治水と利水はトレードオフな関係にあることから,両面に対する問題をバランス良く効率的に解決する流域水管理手法の構築が求められていた.また,東南アジア流域では,流域水管理モデルの構築に必須となる各種データが低精度あるいは入手不可能なことが多く,データ寡少な中でもいかに定量的にモデリングするか,適用可能な手法を構築するかも重要な課題であった.本研究は,近年の気候変動が水資源や水利用に及ぼす影響も考慮しつつ,これらの課題解決を目指して実施されたものである.
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