研究課題/領域番号 |
21K20612
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0605:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 (2022) 東京大学 (2021) |
研究代表者 |
松郷 宙倫 京都大学, 医生物学研究所, 助教 (40907408)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アデノウイルス / 獣医学 / ウイルスベクター / ベクター / 新規タンパク質 / 機能解析 / ウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
イヌアデノウイルス2型(CAdV2)はイヌにおける病原体であるが、ウイルスベクターのバックボーンとしての可能性も合わせ持つ。申請者は、CAdV2のヘキソン遺伝子上にこれまでに報告のない新規遺伝子Xを同定し、ウイルスの増殖性に関わることを明らかにした。しかしながら、その機能や詳細な分子機構はこれまでにわかっていなかった。Xの機能解明は病原性解析などの基礎研究からワクチン開発、遺伝子導入ベクターの効率的な産生などに役立つと考えられる。そこで、本研究ではXと結合するウイルスタンパク質、宿主タンパク質を同定し、その機能や分子機構を解明することを目的とした。
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研究成果の概要 |
私たちは、これまでにイヌアデノウイルス2型(CAdV2)がウイルスの増殖に関わる新規タンパク質Xをコードしていることを明らかにしたが、その機能は不明 であり、本研究ではその機能、分子機構の解明を目的とした。本研究により、Xタンパク質は非構造タンパク質であり、細胞死を誘導し、ウイルスの細胞外への放出を促進する機能をもつことがわかった。また、Xタンパク質はCAdV2のみならず、CAdV1やコウモリアデノウイルスにおいても保存されていることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題において、Xタンパク質はCAdV2のみならず、CAdV1やコウモリアデノウイルスなどの一部のマストアデノウイルスに保存されたタンパク質であることがわかった。このことから、Xタンパク質についての知見を集めることはCAdV2のみならず、Xタンパク質をもつ他のアデノウイルスの病原性の解析やワクチン開発などにもつながると考えられる。 X欠損ウイルスに比べ、野生型ウイルスは細胞死を誘導し、細胞外に放出されるウイルス量が多かった。この知見は、細胞傷害性を上昇させるとともに腫瘍内の伝播能力を向上させた腫瘍溶解性アデノウイルスの作製や効率的なベクターの産生などにもつながると考えられる。
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