研究課題/領域番号 |
21K20619
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0605:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 麻布大学 (2022) 日本獣医生命科学大学 (2021) |
研究代表者 |
宮本 良 麻布大学, 大学病院, 特任助手 (30822580)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 扁平上皮癌 / 犬 / アファチニブ / 分子標的療法 / 株化細胞 / 増殖機構 / ドライバー / EphB3 / 頭頸部癌 / 頭頸部扁平上皮癌 / HNSCC / SCC / 分子標的薬 / 個別化 / 分子標的 / ジオトリフ |
研究開始時の研究の概要 |
人および犬の頸部扁平上皮癌 (HNSCC) は、切除不応の場合では有効な治療法がない。この為、HNSCCに対する新たな治療戦略の確立が重要な課題となっている。申請者はこれまで分子標的薬アファチニブが犬HNSCC細胞に対して抗腫瘍効果を示し、その抗腫瘍効果には特定した分子Xが鍵である可能性を考えた。しかし、これが治療標的となるかは未だ不明である。 本研究では犬HSNCC細胞において分子Xがアファチニブの治療標的分子となるか解析する。さらにアファチニブの犬HNSCC症例に対する抗腫瘍効果を評価する。これらにより犬HNSCCの新たな治療戦略を確立し、犬および人HNSCCの個別化治療の実現に繋げる。
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研究成果の概要 |
本研究では、アファチニブは犬の扁桃扁平上皮癌株化細胞の増殖を強く抑制することを示した。この株化細胞では他の扁平上皮癌株化細胞と比べてEphB3およびリガンド分子Ephrin-B2が高発現しており、またEphB3のリン酸化が増強していた。アファチニブはこのリン酸化を抑制することで増殖を抑制することが示された。EphB3およびEphrin-B2の相互作用の解析において、Ephrin-B2が直接的にEphB3のリン酸化を増強することを示した。アファチニブの臨床試験では犬扁平上皮癌症例5頭中1頭で腫瘍縮小効果を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では人の肺がん治療薬であるアファチニブが一部の犬の扁平上皮癌細胞の増殖を強く抑制することを明らかにした。さらにアファチニブの作用機序は従来のものと異なり、新規標的分子であるEphB3を標的とすることを示した。今回明らかとなった扁平上皮癌細胞の増殖機構およびアファチニブ抑制機構の解明は、犬扁平上皮癌および人肺がんにおける新たな治療戦略の確立に発展する重要なデータと考えられる。
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