研究課題/領域番号 |
21K20620
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
西村 有香子 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 講師 (90360619)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | メカノバイオロジー / 微小管 / 細胞接着 / メカノセンシング / 接着斑 / 細胞接着斑 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞には外環境の機械的性質や力刺激を感知し応答する「メカノセンシング機構」が備わっていることが近年の研究により示されている。この機構は、個体発生・傷の修復・癌細胞の増殖など様々な生理機能に重要であることが明らかになりつつあるが、その分子機構の理解は未だに不足している。本研究では、メカノセンシングの中核である細胞内構造「接着斑」の機能制御メカニズムの解明を目指す。接着斑は細胞骨格の微小管と相互作用することが明らかにされている。この微小管-接着斑クロストークがメカノセンシング機構に与える影響を、細胞生物学・細胞工学・数理学分野を組み合わせた複合的研究アプローチにより明らかにする。
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研究成果の概要 |
細胞には外環境の機械的性質や力作用を感知し応答する「メカノセンシング機構」が備わっており、接着斑という構造が感知・応答の中核を担うことが知られている。しかし外部からの機械的刺激が接着斑の構造と機能を制御する仕組みの理解は未だに不足している。本研究では、細胞骨格の一つ微小管と接着斑のクロストークがメカノセンシングに果たす役割解明を目指した。顕微鏡によるイメージングと画像解析により、微小管結合能を持つRhoA活性化因子の微小管上の動態と、RhoGTPaseをはじめとする下流因子群との関連を明らかにした。現在メカノセンシングが誘導する細胞移動中において、これら関連分子群の挙動の解析を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メカノセンシング機構は細胞増殖や分化、細胞移動などのさまざまな生体現象で重要な役割を果たしていることが近年の研究で分かってきた。本研究では細胞内外の環境を操作するための細胞工学技術と高解像度イメージング・画像解析を組み合わせた独自の手法により、これまでに観察されてこなかった新しいシグナル伝達機構を可視化した。本研究で着目した因子群は、多くの癌細胞で過剰に活性化・発現していることが報告されているため、本研究をさらに推進することでメカノセンシングの原理解明だけではなく、メカノセンシングと癌発生との関連性についても新たな知見が得られることが期待できる。
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