研究課題/領域番号 |
21K20621
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
千葉 杏子 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (10795701)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | モータータンパク質 / 微小管 / キネシン / KIF5 / scFv / H2抗体 / 抗体配列決定 / 細胞骨格 / KIF5A / リコンビナント抗体 / ALS / 筋萎縮性側索硬化症 / 細胞内輸送 / 一分子観察 |
研究開始時の研究の概要 |
分子モーターは細胞内でさまざまな物質の輸送に携わるタンパク質である。分子モーターのうちKIF5(キネシン)は微小管上を移動し小胞やミトコンドリアなどのカーゴを輸送する。小胞輸送の際のキネシン活性制御機構の全容は未だ不明な点が多い。本研究はキネシン抗体「H2」を用いキネシン活性化機構の解明に取り組む。30年以上の実績があるH2は最も有名なキネシン抗体であると共に、従来よりキネシンの運動阻害作用が報告されてきた。本研究ではリコンビナントH2抗体およびKIF5全長を用いてH2によるKIF5の阻害をin vitroで再構成することで、そのメカニズムを解析しキネシン活性化の分子機構解明に繋げる。
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研究成果の概要 |
キネシンモーターは細胞内でミトコンドリアなどの輸送に携わるタンパク質である。抗キネシン抗体であるH2は細胞内輸送の解析において汎用される抗体の一つだが、H2抗体がキネシンを認識する部位のアミノ酸配列はこれまで分かっていなかった。本研究ではH2抗体可変領域のアミノ酸配列を同定することでリコンビナントH2抗体を作成し、定常領域をIgY定常領域と置換することでニワトリ化した。作成したリコンビナント抗体はキネシンの各種機能解析において有用であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞内で物質輸送に携わるキネシンモーターにはさまざまな種類が存在する。今回解析対象としたH2抗体はKIF5A, KIF5BおよびKIF5Cを認識する抗体である。KIF5ファミリーはいずれも疾患原因となるが、特にKIF5Aは痙性対麻痺やシャルコーマリートゥース病といった多くの神経変性疾患の原因となる。H2抗体にはキネシンモーターの阻害作用があることが報告されてきた。抗原認識部位のアミノ酸配列を決定しモーター阻害の分子メカニズムを明らかにすることで、疾患治療法探索の一助となることが期待される。
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