研究課題/領域番号 |
21K20628
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
越阪部 晃永 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (70632107)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | トランスポゾン / ペリセントロメア / ヘテロクロマチン / メチル化DNA / クロマチンリモデリング / クロマチン / ヒストンバリアント / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
動植物のゲノムにはトランスポゾンが多量に存在し、抑制的なエピゲノム修飾を受けている。申請者は、トランスポゾン上の抑制的な修飾の維持に関わるクロマチンリモデリング因子DDM1が、 特異的なヒストンバリアントを運び込みトランスポゾンを鎮静化するという新規機構をこれまでに明らかにした。しかし、DDM1がどのようにしてトランスポゾンを他の遺伝子群と区別しているのかは依然不明である。本研究では、DDM1相互作用因子群がDDM1の機能に領域特異性を規定していると考え、DDM1の結合因子の同定およびその生化学・分子遺伝学的な解析を通して、DDM1複合体によるトランスポゾンの認識・沈静化機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究にて、トランスポゾン上の抑制型エピゲノム修飾の維持に重要なクロマチンリモデリング因子Decrease in DNA methylation 1(DDM1)を含む複合体を単離・精製し、DDM1と相互作用する因子群を質量分析によって同定した。得られた相互作用因子について、T-DNAが挿入された変異植物を用いてメチル化DNAをゲノムワイドに解析した結果、多くの変異植物において、DDM1機能喪失植物で観察されるような大規模な脱メチル化は観察されなかった。一方で、同定された因子と類似したドメインを有する遺伝子の変異植物では、トランスポゾン上のメチル化レベルが野生型植物に比べて下がる結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トランスポゾンは動植物ゲノムの進化に重要な役割を果たす一方、その可動的な性質からゲノム恒常性維持に脅威をもたらすことが知られている。また、DDM1の哺乳類オルソログHELLS/LSHの機能喪失に伴うヘテロクロマチン中の脱メチル化がICF患者で確認されている。したがって、DDM1を含む複合体によるトランスポゾンの標的および鎮静化機構を明らかにすることで、植物のエピジェネティクス研究分野にとどまらず、動植物に共通した機構、さらにエピゲノム異常を示す疾病の分子機構の解明に結びつくことが期待される。
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