研究課題/領域番号 |
21K20630
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小林 芳明 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任研究員 (20907381)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | siRNA / RNAi / Argonaute2 / Argonaute / AGO2 / RNA結合タンパク質 / ライブセルイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
siRNA-AGO2複合体の作用機序は、これまでin vitroな生化学的解析および構造解析により明らかにされてきた。しかしながら、実際の細胞内環境を反映した解析がほとんど行われていない。細胞内には多種のRNA結合タンパク質が存在しており、siRNA-AGO2複合体と競合的に働く可能性がある。そこで本研究では、細胞内のsiRNA-AGO2複合体をイメージングする手法を新たに開発し、多種のRNA結合タンパク質が存在する複雑な細胞環境における分子動態の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
これまでの生化学的解析からsmall interfering RNA(siRNA)は、シード領域(5´末端から数えて2~8番目のヌクレオチド)で標的mRNAを認識することが明らかになっていたが、その位置による役割はよく分かっていなかった。申請者は、ヒト細胞を用いてsiRNAの活性を測定することで、siRNAのシード領域が2-5番ヌクレオチドと6-8番ヌクレオチドの2つの機能ドメインに分かれることを見出した。2-5番ヌクレオチドはRNAi活性には大きく寄与しないドメインである一方、6-8番ヌクレオチドはRNAi活性の程度を規定するドメインであることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究成果は、従来の生化学的解析のみでは明らかにできなかったsiRNAの作用機序を実際の細胞内環境を反映した解析により明らかにした。siRNA のシード領域のうち、6-8番ヌクレオチドはRNAi活性の程度を規定するドメインであることから、今後活性の強弱を制御する手法の開発が期待される。また、siRNAは薬としての応用が期待されているものの、その作用機序に立脚した医薬品の設計が不十分であることから、本成果はsiRNAの治療応用に向けた知見を広げるものであると示唆される。
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