研究課題/領域番号 |
21K20635
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長野 眞大 京都大学, 医学研究科, 助教 (00910663)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | コヒーシン複合体 / 細胞分化 / 生殖細胞 / クロマチン高次構造 / auxin-inducible degron / AID / Hi-C / エピゲノム / Stag / コヒーシン / 生殖細胞試験管内再構成系 / クロマチン立体構造 |
研究開始時の研究の概要 |
コヒーシンはクロマチン立体構造制御に重要であり、遺伝子発現制御に関わる。本研究では、生殖細胞試験管内再構成系を用い、コヒーシンバリアント(SA1-cohesin, SA2-cohesin)が行うクロマチン立体構造制御機構を解明し、生殖細胞分化過程におけるそれらの機能を解析する。本研究において、遺伝子発現を上流で制御するメカニズムであるクロマチン立体構造とエピゲノムを包括的に解析することで、普遍的なクロマチン立体構造制御のより精細な理解、さらには一部の白血病をはじめとしたコヒーシン異常による多くの疾患機序の解明にもつながることが期待される。
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研究成果の概要 |
コヒーシン複合体はクロマチン立体構造を介して遺伝子発現を制御するため、コヒーシン複合体によるクロマチン立体構造制御の正確な理解は生物学における重大な課題である。本研究では、体細胞型コヒーシン複合体の2つの変異体であるSA1-cohesinとSA2-cohesinに着目し、これらがどのように生殖細胞分化を制御するかを解析した。細胞系譜の運命決定の直前の状態であるエピブラスト様細胞においてSA2-cohesinの発現量が上昇し、エンハンサーに濃縮する様子が観察された。ノックアウト細胞株の解析においてもSA2-cohesinは生殖細胞運命決定において重要な役割を果たすことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
コヒーシン複合体は遺伝子の働きを制御するためにクロマチンの形を整える役割を果たしています。本研究成果は生理学的な細胞分化という文脈において、クロマチンの構造がどのように変化していくかを解明するかを目的にしました。その結果、細胞分化の直前にはSA2-cohesinの量が増え、特定の場所で活発に働くことを発見しました。また、SA2-cohesinが欠損した細胞を調べた結果、生殖細胞への運命決定においてSA2-cohesinが重要な役割を果たすことが明らかになりました。これらの研究結果は、再生医療を含む細胞分化を必要とする分野において重要な知見となります。
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