研究課題/領域番号 |
21K20636
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹俣 直道 京都大学, 工学研究科, 助教 (40883830)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | SMC / アーキア / 染色体構造 / 進化 / 染色体ドメイン |
研究開始時の研究の概要 |
ゲノム情報の担体である染色体を小さな細胞内に収納するため、生命はSMC複合体と呼ばれるタンパク質を用いて染色体を折り畳んでいる。SMC複合体は進化的に広く保存されているが、その構成要素は原核生物であるバクテリアと真核生物で異なっており、このような進化がいつどのように起きたのかは解明されていない。本研究は、真核生物の起源となった原核生物群「アーキア」におけるSMC複合体の機能を解明することで、SMC複合体の進化の謎に迫る。
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研究成果の概要 |
超好熱性アーキアThermococcus kodakarensisをモデルとしてアーキアSMC複合体の機能解析を行なった。3C-seqと遺伝子破壊系を用いた実験から、T. kodakarensisのSMC複合体がSmc、ScpA、ScpBからなる3成分系複合体として機能することが示唆された。この結果は、先行研究で行われたin vitro相互作用実験の結果から予想されたモデルとは異なる結果であった。また、T. kodakarensisのSMC複合体は、核様体結合タンパク質であるTrmBL2と協調して機能することで染色体ドメイン構造を形成することがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
真核生物では、SMC複合体は特定のDNA結合タンパク質と協調して働くことでTADと呼ばれる染色体ドメイン構造を形成し、遺伝子発現などを制御している。本研究成果は真核型のTAD形成機構の雛形がアーキアにも存在することを示唆するものであり、染色体高次構造の進化を考える上で重要な知見をもたらすと期待される。また、本研究で用いたT. kodakarensisは、バイオマスの一種であるキチンを代謝してキチンを産生することができる。アーキアにおける染色体ドメインの機能研究が本研究を契機に進展すれば、得られた知見を応用することでT. kodakarensisの水素産生能を高められるようになるかもしれない。
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