研究課題/領域番号 |
21K20644
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大塚 浩晨 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (20907167)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 磁気受容 / ラジカルペア / 分光解析 / 光受容体 / ラジカル形成反応 / クリプトクロム |
研究開始時の研究の概要 |
鳥類をはじめとしたいくつかの生物には、光エネルギーを利用した地磁気受容という興味深い性質が備わっている。光エネルギーを利用した磁気受容機構の解明は生物の生態解明、新規磁気センサーの開発、磁気制御型ドラッグデリバリーシステムの構想など様々な分野の助けになる。その一方で、現状では実際に磁気を受容する分子の実体すら明確になっていない。このような状況の中、申請者らはニワトリの網膜に発現しているクリプトクロムと呼ばれるタンパク質の光反応が、磁気受容機構の本質を担う可能性を見出した。この研究を発展させることにより、光駆動型の磁気受容機構の解明につながると期待される。
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研究成果の概要 |
鳥類等の生物は地磁気を認識する能力を有し、この磁気受容能には光受容タンパク質の量子的な反応特性が関与すると考えられている。しかしながら鳥類をはじめとした脊椎動物については、磁気受容分子の実態すら推定の段階である。そこで本研究では、磁気受容能を持つニワトリのクリプトクロム4 (cCRY4) に着目し、cCRY4が磁気受容モデルに沿った光反応を示すこと、cCRY4を構成するチロシンのラジカル化が光反応にとって重要な役割を担う可能性があることを見出した。また、cCRY4における磁気シグナル受容状態の特定を目標とし、その準備段階として特定の状態で反応が留まる変異体を大量に作製する手法を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鳥類が持つ光依存的な磁気受容能の機構解明は、鳥類の生態把握や新規バイオ磁気センサーの開発、磁気を利用した非侵襲性ドラッグデリバリーシステムの開発等に役立つのみならず、量子効果の新たな応用につながる可能性もある。磁気受容機構の解明のために理論計算に基づくモデルが提唱され、磁気受容分子が磁気情報を検出し得ることが示されてきた。しかしながら、生体において磁気受容分子が獲得した磁気情報を、どのように情報伝達可能な形に変換していくのかはほとんど分かっていない。本研究の知見から、磁気受容分子が磁気情報を化学反応に変換している可能性が見いだされ、磁気情報検出機構の解明の一助になると期待される。
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