研究課題/領域番号 |
21K20649
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 秀政 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (30908059)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 陸上植物 / 進化 / 栄養繁殖 / 植物ホルモン / KL信号伝達 / コケ植物 / ツノゴケ類 / 植物 / ツノゴケ / 頂端幹細胞 / 発生 / KAI2-Ligand (KL) / 植物ホルモンKL |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、陸上植物の栄養繁殖に普遍的なしくみの解明を目指す。植物ホルモンKAI2-Ligand (KL)は栄養繁殖の制御因子として誕生したという仮説のもと、陸上植物進化の最早期に分岐したコケ植物の祖先種でそのしくみが確立されていたのかを明らかにする。そのために、本研究ではコケ植物の中でも基部に位置するツノゴケ類ホウライツノゴケの実験系を整備する。系統的に離れたホウライツノゴケと苔類ゼニゴケで、KL経路とKL経路の標的遺伝子がともに栄養繁殖を調節していることを分子遺伝学の手法で検証する。
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研究成果の概要 |
植物はクローン個体による栄養繁殖でさかんに増殖する。栄養繁殖の制御因子に、新規植物ホルモンと目されるKAI2-Ligand (KL)がある。本研究では、ツノゴケ類を用いてKL信号伝達と栄養繁殖制御のしくみを解析した。 本研究では、ナガサキツノゴケでKL信号伝達の標的遺伝子を網羅的に探索し、陸上植物で広く保存された標的遺伝子を特定した。さらに、KL応答レポーター株とKL応答を遮断した株を作出し、生理機能解析の実験基盤を整えた。また、独自の栄養繁殖を発達させたホウライツノゴケにおいて、クローン個体の発生様式を明らかにするとともに、形質転換法を確立し栄養繁殖の新規研究モデルとしての実験基盤を整備した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
栄養繁殖は植物の重要な繁殖戦略であるとともに、植物栽培における重要な性質でもある。本研究では、陸上植物で共通してKL信号伝達に制御される遺伝子を明らかにした。これらの遺伝子とKLによる栄養繁殖制御の関係を明らかにすることで、栄養繁殖を精緻に制御する技術につながると期待される。 また、本研究ではホウライツノゴケという新たな栄養繁殖の研究モデルを立ち上げた。ツノゴケ類はコケ植物のなかでも最初期に分岐した系統であり、被子植物などの維管束植物や従来のモデルコケ植物とは進化的に大きな隔たりがある。今後、栄養繁殖の普遍性や多様性を解明する研究への展開が期待される。
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