研究課題/領域番号 |
21K20652
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 航 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (70908300)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 早期癌診断 / 尿揮発性成分 / 機械学習 / ガスクロマトグラム質量分析 / ガスセンサ / 脳腫瘍 / 尿揮発成分 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、「尿の揮発性成分の網羅的分析と機械学習を組み合わせて、複数種の癌患者を簡便に見分ける手法を開発する」ことである。非侵襲的で簡便かつ網羅的な癌診断ツールの開発は、癌患者の早期発見・死亡率低下につながる重要な研究課題である。しかし、これまでそのような診断ツールは殆ど開発されてこなかった。本研究では、簡単・非侵襲的に取得可能な尿から放出される揮発性分子群を我々独自の集積化センサでセンシングし、得られる網羅的な情報から機械学習を用いて癌患者を早期診断する事を目指す。
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研究成果の概要 |
悪性脳腫瘍は発見後の5年生存率が特に低い癌の一つであり、早期診断法の開発が強く望まれている。申請者は、非侵襲的に取得可能で管理も容易な尿検体に着目し、尿中揮発性成分群を利用した脳腫瘍診断手法開発を行った。ガスクロマトグラフ質量分析計を利用した分析では、健常者と患者を100%の精度で判別するとともに、16の脳腫瘍バイオマーカー候補化合物の同定に成功した。また、ガスクロマトグラフ質量分析と比較して、より迅速かつ簡単に測定可能な小型ガスセンサを使用した場合でも、健常者と患者を約80%の精度で判別することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳腫瘍は主に、患者に脳卒中などの症状が現れた後にMRI・CTなどの高価な画像診断法によって初めて発見され、発見時には治療困難な状態まで成長・拡散が進行している場合が多い。そのため、通常の健康診断で利用可能な低コスト・簡便・迅速な脳腫瘍診断ツールの開発が強く望まれている。本研究で示した小型ガスセンサを利用した尿揮発成分群分析による脳腫瘍診断手法は、この需要に当てはまる。また、本手法は、脳腫瘍に限らず様々な疾病に適用できる可能性がある。
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