研究課題/領域番号 |
21K20654
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
永田 理奈 京都大学, 生命科学研究科, 特定研究員 (80912493)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 細胞死 / オートファジー / 細胞間相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
生体内に生じた変異細胞が周囲の正常細胞によって排除される現象を細胞競合という。これまでの研究では、正常細胞(勝者)に近接する変異細胞(敗者)でどのようにして細胞死シグナルが活性化されるのかという、細胞競合の上流メカニズムは不明であった。そのような中、研究代表者は最近、敗者細胞の細胞死は細胞非自律的なオートファジー誘導によって引き起こされることを明らかにした。そこで本研究では、勝者細胞に近接する敗者細胞でどのようにしてオートファジーが活性化されるのかを明らかにすることで、これまで不明であった細胞競合の上流メカニズムの解明を目指す。これにより、細胞非自律的なシグナル制御メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
生体内で隣接する2つの細胞間にわずかな性質の差が生じた際、細胞間相互作用を介して一方の細胞に細胞死が誘導される現象が存在する。この現象は「細胞競合」と呼ばれ、組織に残って生存する細胞を「勝者」、細胞死によって排除される細胞を「敗者」と呼ぶ。これまでに、勝者細胞に近接する敗者細胞ではオートファジー依存的に細胞死が引き起こされることを見いだしていたが、その上流メカニズムは不明であった。そこで本研究では、細胞競合時に活性上昇するオートファジーの誘導メカニズムを解析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回見いだした細胞非自律的オートファジーによるメカニズムは、種々のトリガーによって引き起こされる細胞競合を共通して制御することがわかり、細胞競合を介した腫瘍制御にも重要な役割を果たすこともわかった。今後、このオートファジー誘導機構を完全解明することで細胞競合の全貌が明らかになり、細胞間コミュニケーションの新たなコンセプトが確立されるとともに、これを人為的に制御することで新たながん治療やアンチエイジングに貢献できる可能性がある。
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