研究課題/領域番号 |
21K20660
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
行本 敦 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (60907369)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 小胞体ストレス / PERK / RMRP / アポトーシス / 酸化ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
小胞体ストレスをはじめとする細胞内ストレスは、がんの細胞内環境において重要な因子である。細胞内ストレスへの適応応答は、細胞の生存、がんの進展に大きく寄与している。がん細胞では小胞体ストレスは活性化していることが知られている。小胞体ストレス関連遺伝子PERKの活性化によるタンパク翻訳阻害は細胞分裂を妨げるが、がん細胞ではタンパク合成は促進しており、PERK経路に対する適応応答が働いている。本研究ではがん細胞固有の細胞内ストレスによる発現遺伝子の変化を確認することで、肝細胞がんのストレス適応機序を明らかにして、適応応答に関わる遺伝子を解明する。
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研究実績の概要 |
がんの細胞内環境における重要な因子として小胞体ストレス(ER ストレス)がある。がん細胞ではERストレスの主要分子であるPKR like endoplasmic reticulum kinase(PERK)は活性化していることが知られている。一方、これまで研究代表者らはPERK経路においてlong noncoding RNAであるRMRPが関与することを報告してきた。RMRPはミトコンドリアや核に存在するが、その役割については不明な点も多い。今回、肝がん細胞株において小胞体ストレスをはじめとする細胞内ストレス環境下でのRMRPの役割について検討した。 まず、肝がん細胞株にツニカマイシンを添加して小胞体ストレスを誘導したところ、リアルタイムRT-PCR法、ウエスタンブロット法でPERKの発現は増加しRMRPの発現が抑制された。RMRPをsiRNAによりノックダウンしたところ、ルシフェラーゼアッセイ、ウエスタンブロット法でカスパーゼ 9の活性化がみられた。一方、カスパーゼ 8の活性化はみられなかった。更に、miRNAについても検討した。RMRPと相補的な配列を有するmiR-206の発現はRMRPのノックダウン群で上昇していた。RMRPによるアポトーシス誘導にはカスパーゼ9を介した内因性経路やmicro RNAが関与していた。 次に、RMRPと血管新生因子の関係について検討した。RMRPのノックダウン群ではVEGF、PDGFについてリアルタイムRT-PCR法ではRNA発現量に有意差はみられなかった。 これらの結果よりRMRPの低下は内因性アポトーシスに影響し、血管新生への影響は軽微である可能性が示唆された。RMRPはがん細胞の生存に影響を与えるため、肝細胞がんにおける治療標的となる可能性がある。
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