研究課題/領域番号 |
21K20668
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
伊藤 秀矩 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 基礎科学特別研究員 (10907984)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | VHL病患者特異的iPS細胞 / 血管オルガノイド / VHL病 / VHL患者特異的iPS細胞 / 血管内皮幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
フォン・ヒッペル・リンドウ(von Hippel Lindau;VHL)病は、VHL遺伝子の変異を主原因とし、過剰な血管新生を介した全身性血管芽腫を特徴とする遺伝性難病である。VHL病の治療法として、外科的治療・放射線治療が主であるが、再発率が高く、根本的治療法は存在しない。その原因として、VHL病を模倣可能な疾患モデルが確立されておらず、病態解明および治療薬開発が困難であることが挙げられる。そこで本研究では、VHL患者特異的iPS(induced Pluripotent Stem)細胞を用いたヒトVHL病モデルを構築し、再発の根源となる血管内皮幹細胞に着目した新規治療因子の探索を試みる。
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研究成果の概要 |
フォン・ヒッペル・リンドウ(von Hippel Lindau: VHL)病は、過剰な血管新生を介した全身性血管芽腫を特徴とする遺伝性難病である。これまでに、十分なヒトVHL病の疾患モデルが確立できておらず、本疾患の治療法開発を行う上で課題となっている。申請者は、VHL病患者特異的iPS細胞を用いて、疾患標的細胞となる血管内皮細胞への分化誘導法を確立し、さらに分化誘導後の血管内皮細胞を用いた血管オルガノイドモデルを開発した。患者由来の血管オルガノイドでは、過剰な血管新生を誘導することから、疾患モデルとしての有用性が明らかとなり、新規治療法の開発への貢献が期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでのVHL遺伝子改変動物モデルでは、十分な疾患モデルとして確立できていないことから、患者由来のiPS細胞を用いてヒトVHL病モデルを新規に作製したことは、独自性が高く、この疾患の発症機序の解明と治療法の開発に大いに貢献できると考えられる。また、VHL病自体は遺伝病であるが、遺伝素因のない孤発性の悪性腫瘍、特に腎がんにおいてもVHL遺伝子の変異が高頻度で見出されており、重要なドライバー変異であることが明らかとなっている。本疾患モデルを用いて新規治療法を提案することは、希少疾患であるVHL病のみならず、VHL遺伝子変異が関与する他の悪性腫瘍に対する新たな治療戦略に繋がる可能性が期待できる。
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