研究課題/領域番号 |
21K20670
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 (2022) 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 (2021) |
研究代表者 |
森 真弓 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (70710060)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | がん免疫 / 免疫老化 / 代謝 / 老化 / 免疫 / T細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢に伴う生体の変化をもたらすものは、食事・運動・睡眠などの生活そのものから生ずると考えられるが、疾患に直接関与し、かつ外部から調節可能なものは食事と代謝である。老化と代謝が免疫系の中心である T 細胞にどう影響を与えるかを知れば、加齢に伴って増える癌などの疾患に対して T 細胞免疫による抑制手段を考えることができる。実験ではマウスの T 細胞や癌に対し様々な代謝関連の薬剤を用いて効果を解析する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、癌を標的とした免疫細胞における老化因子または抗老化因子を同定し、特にT細胞免疫による癌除去機能に関与するような細胞代謝を司る因子の影響を明らかにすることである。 前年度は、抗原特異的なT細胞活性における代謝経路の影響を調べるため、OT-IまたはOT-II TCRトランスジェニックマウス脾臓からT細胞を単離し、各々のTCR特異抗原ペプチド等を用いて刺激した。同時に代謝関連薬剤で処理し、PD1やCD153などの老化指標を比較した。その結果、様々な代謝経路に関わる重要な因子として、まずビタミンDに着目した。本年度はこの結果についてOT-I TCRを持つCD8T細胞に着目してさらに解析することにした。ビタミンDによるOT-I T細胞の抗原反応や細胞増殖・細胞の生存について再現性を確認し、フローサイトメトリーにより表面抗原として老化指標となるPD1やCD153の変化を調べた。またさらに、このT細胞からRNAを抽出し、QPCRによって老化と関わる細胞周期調節因子などの発現を定量的に調べた。 一方、マウス生体実験では、癌抗原特異的なT細胞免疫に対するビタミンDの影響を評価するため、特異抗原を発現するマウス癌細胞株EG7をLy5.1(CD45.1+)マウスに皮下移植し、同時にOT-I T細胞を尾静注して癌を認識させた。培養中のEG7癌細胞の増殖や生存はビタミンDにより直接影響を受けることがわかったため、癌移植マウスにビタミン投与する代わりに、OT-I T細胞をトランスジェニックマウスから単離して培養中にビタミンD処理したものとしていないもので比較解析した。移植癌細胞の増殖とその抑制を、腫瘍体積や重量、癌組織に浸潤したOT-I T細胞数を基準として評価した。移植に成功したマウスは3~5匹と少ないが、ビタミンDを与えたT細胞はそうでない細胞と同等かそれ以上に癌を縮小させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
トランスジェニックマウスから単離したT細胞を用いた培養実験は、おおむね予定通りに進行したと言える。一方で、生体マウスに癌細胞を皮下移植し、さらにその抗原を認識するT細胞を移植する実験では、本年度から研究機関を移動したことにともないマウスを凍結胚により移動させて実験の中断があったことに加え、年末からは産前産後休暇や育児休暇を取得したため、さらなる実験の中断があった。 生体マウスの実験に着手はできていたため、細胞数などの条件検討は終えており、再現実験や追加解析が今後必要である。
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今後の研究の推進方策 |
トランスジェニックマウスから単離したT細胞を用いた培養実験に関しては、OT-II CD4T細胞よりもOT-I CD8T細胞の方が実験系が細胞の共培養とならず単離細胞のみに薬剤などを処理するためシンプルで、再現性も確認された。このため、今後の実験はOT-I CD8T細胞を中心とする。また、前年度は様々な薬剤を用いて、このT細胞培養における影響を調べたが、これらを癌移植した生体マウスに投与すると移植癌細胞自体やマウス自身への副次的影響が無視できない。そこで培養中のT細胞に薬剤処理したものを癌移植マウスに移植することにした。現在注目しているビタミンD以外の薬剤の多くは、培養T細胞の生存率を下げてしまうため、貴重なマウスを用いた生体実験においては「特異抗原を発現するEG7癌細胞を移植したマウスに、ビタミンD処理有り・無しそれぞれの条件下で培養したOT-I CD8T細胞を移植して癌細胞への反応や除去を調べる」ことを最優先実験とする。
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