研究課題/領域番号 |
21K20684
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
川端 政則 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (00907727)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 感覚・運動情報処理 / システム神経科学 / 大脳皮質 / 電気生理学 / 心理物理学 / 光遺伝学 / デコーディング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、動物の脳内における感覚情報から運動情報への変換機構(感覚-運動変換)の神経メカニズムを解明するために、大脳皮質ニューロンの感覚・運動情報への関連性および光遺伝学的手法を用いた行動発現への因果的な役割をマッピングすることを目的とする。 これまでの研究において申請者は、大脳皮質の一次視覚野(V1)と後頭頂連合野(PPC)の間で情報表現が大きく変化していることを見出してきた。本研究では、V1とPPCの間に位置する高次視覚野(HVA)を中心にニューロンの持つ情報のマッピングを行うことで、単一ニューロンレベルでの具体的な変換メカニズムに迫る。
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研究成果の概要 |
本研究では、げっ歯類大脳皮質における感覚・運動変換の神経メカニズムを解明するために、視覚刺激応答性レバー引き課題を遂行中のラット大脳皮質から多点電極を用いた複数領域同時の多細胞記録を行った。得られた単一ニューロンごとのスパイク活動を、独自のアルゴリズムを用いてコンポーネントごとに分割し、コンポーネントごとに感覚・運動情報への関連性を調べた。その結果、視覚刺激に合わせたタイミングで発火しつつも運動応答のあった試行で活動が大きくなっているニューロンが高次視覚野の一部に集まって存在していることを発見した。このニューロンは感覚・運動変換の中間過程にあたる知覚や変換のプロセスに関連している可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で見出した視覚刺激に合わせたタイミングで発火しつつも運動応答のあった試行で活動が大きくなっているニューロンは、感覚・運動変換の中間過程にあたる知覚や変換のプロセスに関連している可能性があり、このニューロンの入出力領域を調べることで知覚や変換の詳細な神経メカニズムを解く糸口となり得る。 本研究で開発したスパイク活動をコンポーネントごとに分割するアルゴリズムは、少ないパラメータで様々な時系列データを変化点ごとに分割することが可能であり、神経科学のみならず他の分野においても新たな知見を与える可能性がある。
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