研究課題/領域番号 |
21K20689
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上田 博之 京都大学, 工学研究科, 助教 (20909808)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 機能的MRI / 低磁場MRI / 脳機能計測 / スピンロックシーケンス / 磁場検出 / 位相画像 / 機能的結合 / 低磁場fMRI / ノイズ低減 / fMRI / spin-lock / 神経磁場 |
研究開始時の研究の概要 |
fMRIはMRIを用いて非侵襲的に脳機能を計測する手法であり、脳波や脳磁図と比べ空間分解能が高い。現在主流なfMRIは血行動態を介して神経活動を計測するBOLD-fMRIであり、これは時間分解能やMRIの静磁場強度に制約がある。そこで申請者は神経磁場の直接計測法としてspin-lockシーケンスを用いた低磁場fMRIの検討を進めてきた。本研究では(1)MR画像の雑音低減による低磁場fMRIの検出限界の改善、(2)磁化挙動の解析解を用いて取得画像から計測対象信号の強度や位相情報を再構成、(3)ヒトを対象とした定常誘発反応など認知課題を用いた実験検証により提案する低磁場fMRIの有効性を実証する。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、従来の機能的MRIにおける制約である時間分解能や静磁場強度の制約を克服するためにスピンロックシーケンスに着目し、感度の調査や機械学習を用いた向上を行った。加えて、計測対象である神経磁場の信号再構成を目指して、MR画像のコントラストがどのように変化するのかを表す磁化の解析解を改善した。さらに、MR画像には一般に用いられる強度画像のほかに、位相画像があるが、これを用いて計測対象磁場の位相の推定可能性を模索した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の機能的MRIでは、血中のヘモグロビンにおける磁性の違いに着目して、脳活動をMR画像のコントラストに反映していた。この手法は現在主流なものであるが、高磁場MRIでしか利用できない点と時間分解能に制約を有している。そこで、神経磁場を直接コントラストに反映するスピンロックシーケンスは、これらの問題を解決でき、安価な低磁場MRIでの脳機能計測の実現可能性がある。しかし、低磁場MRIはMR画像の画質が低下するため、本研究課題ではこの問題の解決と、時間分解能改善の利点を活かし、脳メカニズムの解明に向けた貢献を目指している。
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