研究課題/領域番号 |
21K20690
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上田 紗希帆 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (50913521)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / てんかん / ペランパネル / 神経興奮 / βアミロイド / β切断 / AMPA / 神経過剰興奮 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、ADの早期より神経過剰興奮が生じることがモデルマウス、患者で明らかとなり治療ターゲットの一つとして注目されている。申請者は、AD 早期において神経過剰興奮を抑制することで病態進行を抑制するという仮説に基づき、AD モデルマウスにPER の投与を行い、間質液Aβ 減少効果がどのようにAβ 病理や認知機能障害の改善に寄与するかを検証しその機序を解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、ADモデルマウス(病状を再現したマウス)と細胞モデルに抗てんかん薬であるペランパネル(PER)を投与し、神経の過剰な興奮を抑えることで認知機能やADの原因タンパク質の一つであるアミロイドβ(Aβ)蓄積を改善できるか検証している。 我々はまず、PERの急性処置がAβ生成を抑制することで、脳内のAβを減少させる可能性を示した。次にPERを5カ月間投与したADマウスでは、PERを投与しなかったものと比べて、記憶機能が改善する傾向と脳内のAβ蓄積量が減少する傾向が見られることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アルツハイマー病(AD)は、脳内に異常なタンパク質がたまることで引き起こされる認知症の原因疾患である。AD患者はてんかんとの関連性が高いことが知られているが、AD患者にどのタイミングでどの抗てんかん薬を選択すべきかはコンセンサスがまだ得られていない。本研究は、すでに市場に上梓されている抗てんかん薬ペランパネル(PER)がADの原因タンパク質の一つであるβアミロイド(Aβ)の産生と蓄積を抑制することをマウスと細胞モデルを用いて示した。これは、ADの新たな治療戦略としての可能性を示唆する重要な発見であるといえる。
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