研究課題/領域番号 |
21K20691
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田口 智之 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (00909393)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | パーキンソン病 / αシヌクレイン / 進展経路 / 末梢血単核細胞 / 末梢血 / 伝播 / 神経炎症 / 末梢 / αーシヌクレイン / 末梢免疫細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病は、α-シヌクレインというタンパク質が異常に蓄積し、脳内のドパミン神経が障害される神経難病である。現在、最初にα-シヌクレインが蓄積・凝集する場所として腸管が注目されており、腸管で生じた凝集α-シヌクレインが、末梢神経(迷走神経)を介して脳内へと伝播していくと考えられている(Braak仮説)。しかし迷走神経に凝集α-シヌクレインが存在しないパーキンソン病も存在しており、Braak仮説のみでは説明できない。よって迷走神経以外の経路から凝集α-シヌクレインが伝播していく可能性がある。本研究では、新たな伝播経路の可能性を見つけ出し、治療法開発へとつなげていくことを目的としている。
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研究成果の概要 |
パーキンソン病(PD)の進展様式として、腸管に出現した凝集α-synが迷走神経を介して中枢神経へと伝播していく仮説が主流である。しかしPD 剖検脳の検討から全てのPDが上記仮説の通りに拡がるわけではない。本研究では末梢免疫細胞を介したα-synの新たな進展経路の可能性を検討した。結果としては、凝集α-synを貪食した末梢血単核細胞(主にCD11b陽性細胞)は全身炎症下にて脳内に侵入することはできるが、それを起点にα-syn病理が進展していくことはなかった。上記結果から末梢CD11b陽性細胞は凝集α-synを分解する能力が高く、凝集α-synの進展抑制につながる新たな治療開発の可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、パーキンソン病の病理進展メカニズムに対する新たな視点を提供し、従来の仮説を再評価するきっかけになったと考える。また末梢免疫細胞を応用した新たな治療法の開発につながる可能性を秘めていると言える。
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