研究課題/領域番号 |
21K20704
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
若杉 憲孝 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 脳病態統合イメージングセンター, リサーチフェロー (30912836)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 神経変性疾患 / パーキンソン病 / 発症前コホート / 機械学習 / パーキンソン病関連疾患 / 発症予測 / 安静時脳機能ネットワーク / 多系統萎縮症 / Parkinson病 / 早期診断 / 機械学習判別 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の最終目標は、高齢化により増加しているParkinson病(PD)の超早期診断を、核磁気共鳴画像(MRI)と機械学習判別器を用いて非侵襲的に行うことである。PDの根治療法は開発中だが、治療成功に必要な早期介入を可能にする超早期診断技術は確立していない。 本研究では種々のPD関連疾患の中から、類縁疾患でありながら診断後の治療が大きく異なる① PDとPD認知症、②多系統萎縮症(MSA)を発症前に分離する。それにより、早期確定診断と将来的な治療成績の向上を目指す。
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研究成果の概要 |
安静時脳機能MRIデータを用いて、パーキンソン病 (PD)関連疾患の一つである多系統萎縮症 (MSA)患者37名の脳機能結合を測定し、同じくPD関連疾患であり、疾患前病段階であるレム睡眠行動障害55名との比較を行った。MSA患者では、基底核ネットワークにおいて、両側淡蒼球・右扁桃体と右被殻に脳機能結合の上昇が見られた。これらの脳部位の異常は現状では報告がなく、発症前患者には見られないMSA固有の病態の一端を示したものと考える。本研究期間では37名のMSA患者データを収集した。今後3ヶ月から半年程度をめどにMSA患者を40名として再解析を行い、英文誌への投稿を行う。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MSA患者固有の神経回路の一端が示された。MSAの病態に関して、新たな視点から解明が進むと期待される。MRIによってこの変化を同定したことは、非侵襲的に診断補助を行う基盤として、脳機能MRIが有用であることを示したものと考える。 神経変性疾患における疾患修飾薬開発の機運が世界的に高まっており、MSAも今後治療法の発展が見込まれる。本研究で得た知見を基盤としてMSAの分類が高精度に行えるようになれば,今後開発されるMSAの治療をより適切に投与できる可能性が高まる。具体的には、MSA治療薬の治験において、層別化を非侵襲的に行うこと、診断根拠の補強による投薬の選択の適切化などが考えられる。
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