研究課題/領域番号 |
21K20706
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中島 孝平 北海道大学, 薬学研究院, 助教 (40907771)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 光免疫療法 / がん / 生体イメージング / 光感受性化合物 / 光化学反応 / 免疫チェックポイント阻害剤 |
研究開始時の研究の概要 |
光を用いたがん治療法である光免疫療法(PIT)は、抗腫瘍免疫応答を効率的に活性化する。申請者はこれまでに、免疫チェックポイント阻害剤を投与したマウスに、過剰な光照射量でPITを行うと全身性の副作用が生じることを見出した。これには免疫・炎症応答の関与が想定されるが、PITが起点となった生体内の反応がどう推移して副作用に至るかは明らかとなっていない。 本研究では、PITと免疫チェックポイント阻害剤併用時の副作用の回避を目指し、同一個体を経時的に解析できる生体イメージングを用いて免疫・炎症反応の推移を明らかにする。同時に、血液検査値や臓器障害などを総合的に分析することで副作用の病態に迫る。
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研究成果の概要 |
本研究では、生体イメージングを用いて、光を用いた新たながん治療法である光免疫療法(PIT)による免疫・炎症反応の推移を明らかにすることを目的とした。ヌードマウスにヒトがん細胞を移植して作製した担癌マウスにPITを行い、[18F]FDG-PETやMRIを用いて経時的に解析した結果、PITを行った腫瘍の周囲で炎症性浮腫が生じることが見出された。さらに、ImmunocompetentマウスであるC57BL/6JマウスにPITを行った場合、ヌードマウスと比較して血中電解質や炎症性サイトカインの変化などが大きいことが示され、T細胞などの免疫細胞がPITによる生理学的応答に深く関与していると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、PITが引き起こす免疫・炎症反応の一端を明らかにすることに成功した。がん治療において、過剰な免疫・炎症応答は副作用に繋がる可能性がある一方、適切に免疫応答が活性化された場合は、抗腫瘍免疫応答の誘導を介して高い治療効果が得られる可能性も考えられる。したがって、本研究を足掛かりに引き続き検討を行うことで、臨床において副作用を回避しつつ効果的な治療を行うための方策につながることが期待される。
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