研究課題/領域番号 |
21K20713
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
秤谷 隼世 名古屋大学, 理学研究科, 研究員 (10890618)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 核酸化学 / 核酸DDS / ジスルフィド / 核酸医薬 / RNA編集 / ケミカルバイオロジー / 化学修飾核酸 / 核酸デリバリー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、新たな核酸デリバリー技術を用いたRNA 編集 (A-to-I編集) の達成を目指す。近年、いくつかの部位特異的RNA編集技術の報告があるものの、治療法として実用化するには、「細胞外からのガイドRNAの導入が難しい」という問題を解決する必要がある。そこで本研究では、細胞膜透過性のガイドRNAをデザインし、全く新しいメカニズムのRNAの細胞内導入によってRNA編集を達成する。これにより、疾病の治療やタンパク質・RNAの機能を研究するツールとしてのRNA編集技術の大幅な進歩が期待され、RNA医薬実用化への布石を打つことができると考えている。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、細胞膜をintactで直接透過するガイドRNAをデザイン・合成し、これによりRNA編集を達成することである。本目的を達成するための初年度マイルストン通り、今年度は①細胞膜透過性ユニットの化学合成、②そのユニットを結合したオリゴRNAの化学合成、③以上から得られたオリゴRNAの細胞膜透過性の評価を行った。
①:所属する研究室が取り組んできた先行研究の知見をもとに、細胞膜の直接透過を促進するようなジスルフィド構造の最適化に取り組んだ。その結果、環状ジスルフィド構造を核酸に付与できるような合成原料アミダイト2種類(直接修飾型・ポスト修飾型)の合成に成功した。 ②:得られた2種類のアミダイト原料を用い、核酸自動合成機によって複数種類のRNAオリゴ核酸を合成した。直接修飾型による合成ではやや合成収率が低下したものの、細胞実験に十分な量のオリゴRNAの合成に成功した。ポスト修飾型による合成では、脱保護条件を最適化することにより、核酸自動合成機でアミノ基を有するユニットを付与したのちにNHSエステル反応を経ることでオリゴRNAにジスルフィド構造を付与することができた。 ③:ユニットを有するオリゴRNAの3’末端に蛍光プローブを導入した配列を設計・合成し、フローサイトメーターによる細胞内取り込み評価を行った。その結果、ポスト修飾型のユニット構造を有する修飾オリゴRNAでは、コントロール配列と比較して3-5倍程度の蛍光強度が観察された。
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