研究課題/領域番号 |
21K20717
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
植山 由希子 (鳥羽由希子 / 鳥羽 由希子) 大阪大学, 大学院薬学研究科, 助教 (10904930)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 肝細胞 / オルガノイド / 薬物代謝酵素 / 薬物動態 |
研究開始時の研究の概要 |
多くの薬物は肝臓において代謝されるため、ヒト肝細胞を用いた安全性評価は創薬研究に必要不可欠である。すなわち、高機能なヒト肝細胞は新薬開発の効率化に資する有用なツールとなり得る。近年、肝臓オルガノイド培養技術が開発されたが、その肝機能は低い。そこで本研究では、ヒト凍結肝細胞に匹敵する高機能な肝臓オルガノイド培養技術を確立する。三次元培養体である肝臓オルガノイドが抱える種々の課題を解消するため、二次元培養にて分化・成熟化を試みる。本研究による汎用性の高い新規ヒト肝細胞モデルの創成は、新薬開発の加速化だけでなく、肝疾患の発症機序解明や肝細胞移植など幅広い分野に貢献することが期待される。
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研究成果の概要 |
創薬研究や再生医療に資する新たな肝細胞源として、肝臓オルガノイドが期待されている。肝臓オルガノイドは長期的な増殖を示す一方で、その肝機能は著しく低い。そこで、肝臓オルガノイドの機能向上が可能な培養条件の探索を行った。本研究では、汎用性を考慮し二次元培養での高機能化を試みた。液性因子を添加した培地を段階的に作用させ、二次元培養において高機能な肝細胞(Org-HEPs)の作製に成功した 。Org-HEPsにおけるalbumin遺伝子の発現量は、肝臓オルガノイドの約875倍まで増加した。また、薬物代謝酵素活性はヒト肝細胞と同等であった。以上より、創薬応用への応用が可能であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般的なオルガノイド培養状態では、種々の被検化合物が細胞外マトリクスに捕捉されることが懸念され、創薬研究への利用には不向きであった。そこで、汎用性の高い肝細胞を肝臓オルガノイドから得るために、二次元培養にて分化・成熟化を試みた。その結果、二次元培養にてヒト肝細胞と同等の高い機能を持った肝細胞の作製に成功した。本研究で開発した肝細胞は、創薬研究への応用が実現可能であり、医薬品開発の加速化に大きく貢献すると考えられる。
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