研究課題/領域番号 |
21K20729
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ピモジド / p-糖タンパク質 / 心筋細胞 / hERG / QT延長 / 薬物相互作用 / ピモシド / P-糖タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
抗精神病薬のピモジドはP-糖タンパク質(P-gp)の基質であり、P-gpの阻害薬と併用するとその吸収が増大することがin vitro の検討によって示唆されている。本研究では、P-gpを介した相互作用によって、ピモジドの吸収が増大することをin vivo によって,さらにピモジドの心筋細胞内蓄積が増大することをin vitro の手法によって明らかにする。これらの検討により、P-gpの阻害に起因する複合的な要因(血中濃度の上昇を伴うマクロな相互作用と組織取り込み量の増加を伴うミクロな相互作用)によって,ピモジドの心臓における副作用が惹起される可能性を提示することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、P-糖たんぱく (P-gp) を介した細胞内蓄積とピモジドのhERG阻害作用の関係について検討した。心筋細胞由来の細胞におけるピモジドの蓄積は、P-gpの阻害薬であるsertralineおよびaripiprazoleによって増加した。一方、AC16細胞にピモジドを添加すると、濃度依存的にhERG電流が阻害された。このことから、P-gpを介した相互作用によりAC16細胞内のピモジド蓄積量が増加し、細胞内のピモジド濃度が上昇することで、hERGチャネルが細胞内から阻害されQT延長などの循環器系リスクが高くなる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果として、P-gpを介した相互作用によって心筋細胞内へのピモジドの蓄積量が増加することで、hERG阻害作用が増強される可能性が示唆された。ピモジドに限らずhERG阻害薬を有する薬物においては、同様のメカニズムによってQT延長や致死的不整脈発症の原因のひとつになる可能性が考えられた。薬物動態学的相互作用を検討する際には、血中濃度上昇を伴うsystemicなDDIのみならず、組織分布過程におけるトランスポーターを介したLocal-DDIについても考慮する必要性があるものと考えられた。今回の我々の研究成果は今後の医薬品開発や患者の医療安全に貢献できるものと思われる。
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