研究課題/領域番号 |
21K20737
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0802:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
矢口 完 北海道大学, 先端生命科学研究院, 学術研究員 (70911668)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 倍数性 / 一倍体 / Haploid Syndrome / 中心体 / 細胞分裂 / ゼブラフィッシュ / 半数体 / Hertwig effect / 小頭症 |
研究開始時の研究の概要 |
一般に動物はゲノムを1コピーしかもたない「半数体」状態では、半数性症候群を引き起こし胚性致死となるが、その理由は明らかでない。本研究では、申請者が最近、培養細胞実験で見出した「半数体特異的な中心体複製不全」が、この半数性症候群の根源的な原因である可能性を検証することを目的とする。単為発生により作成する半数体、二倍体ゼブラフィッシュ胚を材料に、半数体胚における中心体制御破綻と発生不全の因果関係を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では、申請者がごく最近発見した「半数体脊椎動物細胞における中心体喪失」が、発生過程における器官形成にどのような影響を与えるかを明らかにすることを目的とした。 中心体は紡錘体形成において中枢的な役割を果たすことから、まず、生細胞観察により二倍体胚と半数体胚の細胞分裂を観察した。二倍体胚では大半の細胞が分裂期を30分以内に完了していた一方で、半数体胚では約15%の分裂細胞が1時間以上分裂期に停滞しており、これらの分裂遅延細胞の約3割で細胞死が生じていた。また、アポトーシスマーカーであるactive caspase-3を可視化したところ、二倍体胚と比較して半数体胚ではアポトーシス細胞が胚全体で顕著に増加していたことから、半数体胚では広範な組織器官において分裂ストレスによりアポトーシス頻度が増加していることが示唆された。 この分裂ストレスが組織発生にどのように影響しているかを調べるため、分裂期チェックポイントを薬理的に阻害することで半数体胚の分裂期進行を改善したところ、分裂細胞の生存性が向上し、脳、目、体軸などの主要組織が肥大化した。このことから、半数体胚における分裂遅延は細胞生存性の低下および組織サイズの矮小化を引き起こすことがわかった。 さらに、半数体胚におけるアポトーシス経路を調べたところ、二倍体胚と比較して半数体胚ではp53タンパク質発現量が有意に上昇していることを突き止めた。このp53発現量上昇の発生不全への寄与を調べるために半数体胚におけるp53の発現を抑制したところ、アポトーシス頻度が低下し、また、組織サイズの矮小化が解消された。本研究結果から、分裂ストレスおよびp53依存的アポトーシスに起因した半数体胚の器官形成能低下が見出され、半数体胚における発生不全要因の一端が初めて分子レベルで明らかになった。
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