研究課題/領域番号 |
21K20745
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0802:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
市野 紀子 順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任研究員 (40649365)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ribosome / H/ACA ribonucleoprotein / gar1 / skeletal muscle / developmental biology / zebrafish / リボソーム生合成 / p53 / 骨格筋発生 / アポトーシス / リポソモパシー / H-ACA snoRNP / 骨格筋萎縮 / サルコメア / トランスクリプトーム解析 / ゼブラフィッシュ / GAR1 / P53 / H/ACA snoRNP / トランスクリプトーム |
研究開始時の研究の概要 |
リボソームを構成する分子やその生合成に関わる分子の機能異常は、リボソモパシーと定義され、希少難病との関連性が示唆されている。申請者は、リボソーム生合成に重要なリボソームRNA修飾を担うH/ACA snoRNPの構成分子GAR1を欠損したゼブラフィッシュ変異体が骨格筋萎縮を示すことを初めて見出した。脊髄性筋萎縮症の原因遺伝子SMN1が、GAR1と結合して、H/ACA snoRNPを成熟化させる可能性を踏まえると、GAR1欠損によるH/ACA snoRNP機能異常は、運動ニューロン病変を介して骨格筋萎縮を誘導する仮説を検証することを目的として、その分子病態の解明と新規治療ターゲットの発見に迫る。
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研究成果の概要 |
gar1はリボソーム機能に関わる分子であるが、その欠損による病態メカニズムは不明である。本研究では、gar1変異体の細胞死誘導メカニズムを解析した。p53の翻訳を抑制すると、骨格筋病変は改善されなかったが、他の病態モデルに共通する眼球病変はp53翻訳阻害により改善傾向があった。骨格筋ではp53非依存的な細胞死が、眼球ではp53依存的/非依存的細胞死が誘導されていることを示した。また、p53と拮抗するΔ113p53の発現量がgar1変異体では増加していた。結論として、gar1欠損の病態メカニズムには組織特異的にp53依存性と非依存性があり、リポソーム病の病態関連している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ゼブラフィッシュgar1変異体には、他のリボソーム病のゼブラフィッシュ病態モデルと共通する発生異常だけでなく、著名な骨格筋発生異常が新たに見出されたが、その病態メカニズムは不明であった。本研究では、分子生物学的な手法を用いて、gar1変異体に特徴的な骨格筋病態がp53非依存的細胞死であることを示し、この骨格筋細胞死メカニズムの組織特異性を初めて明らかにした。リボソームは全ての細胞に重要なオルガネラであるが、リボソーム病には組織特異性があることから、本研究で見出された知見は、リボソーム病の病態メカニズムにおける組織特異性を解き明かすための重要なマイルストーンであると考えている。
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