研究課題/領域番号 |
21K20757
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | CD38 / SARS-CoV-2 / Interleukin 6 / NAD / endothelial dysfunction / LDH-A / NMNAT / HUVEC / NAD生合成酵素 / IL6+IL6R / cynomolgus macaques / 低酸素症 / ミトコンドリア障害 / IL6+IL6R / LPS+IL6R / Endothelium |
研究開始時の研究の概要 |
我々はカニクイザルにSARS-CoV-2 を感染させ、血管内皮に変化が生じることを確認している。SARS-CoV-2 に感染したサルの肺、心臓、腎臓の内皮細胞において、内皮細胞活性化マーカーであるCD38 分子の発現が上昇していた。CD38 分子は低酸素症とミトコンドリアの酸化ストレス関係もあると考えられている。この提案では、低酸素再酸素化および/またはミトコンドリア酸化ストレス条件下でSARS-CoV-2 ウイルスを感染させたヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)細胞株を用て、in vitro で内皮細胞の活性化と機能障害の機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、COVID-19によって活性化された内皮細胞におけるCD38発現の役割について検討した。結果は、CD38が有害な役割を果たすという当初の仮説とは異なり、CD38の発現が細胞の活性化、炎症性サイトカインの産生、低酸素応答を制御し、内皮細胞をSARS-CoV-2感染から保護することが明らかになった。また、SARS-CoV-2感染により活性化した内皮細胞では、CD38と乳酸脱水素酵素Aの発現が増加したが、ニコチンアミドモノヌクレオチドアデニルトランスフェラーゼの発現は増加しなかったことから、CD38によるNAD消費はNAD生合成経路よりも低酸素応答で補われる可能性が高いと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、活性化した内皮細胞におけるCD38の発現と役割が明らかになり、COVID-19における内皮機能障害のメカニズム解明に貢献することができた。その結果、感染症におけるCD38への介入の危険性が示唆された。 また、低酸素反応とNAD生合成経路を同時に標的とすることで、細胞内のNAD濃度を最適化し、内皮機能障害の軽減に貢献する可能性がある。
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