研究課題/領域番号 |
21K20759
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田口 厚志 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (20908686)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 肺炎球菌 / 薬剤耐性 / 薬剤排出ポンプ / 膜輸送体 / ABCトランスポーター / ABC型トランスポーター / 薬剤耐性菌 / 多剤排出ポンプ |
研究開始時の研究の概要 |
薬剤耐性菌感染症の増加は公衆衛生への脅威であり、多剤耐性化機構の解明は新たな抗菌剤の開発において必要不可欠である。多剤排出ポンプによる細胞外への薬剤輸送はグラム陰性菌の多剤耐性化に直接寄与することが広く知られているが、病原性が高い肺炎球菌を含めたグラム陽性菌の排出ポンプの役割については研究が進められていない。本研究では肺炎球菌の薬剤耐性に関連するポンプ因子を同定し、その機能解析を行うことでグラム陽性菌の多剤排出ポンプ阻害剤の開発、および阻害剤を用いた耐性菌感染症の治療戦略の創造を目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究では肺炎球菌薬剤排出ポンプ過剰発現ライブラリを作成し、薬剤感受性試験を行うことで抗菌薬耐性に関わるポンプ因子の同定を行うことに成功した。耐性に関与するポンプ因子のうち、一つは未知のABCトランスポーターであったことから生化学的手法を用いた機能解析を行うための蛋白質サンプルの精製を行い、精製されたサンプルにATPアーゼ活性があることを確認した。今後はこのポンプ因子の構造解析や機能解析をさらに行うことで基質輸送メカニズムの解明を目指す。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺炎球菌は先進国の死因の中核を占める肺炎の原因菌として広く認知されており、近年多剤耐性を持った肺炎球菌の蔓延が臨床現場において大きな問題となっている。多剤耐性肺炎球菌感染症に対する治療法を確立させるためには薬剤耐性機構の解明及ひ新規抗菌剤の標的の発見が喫緊の課題となっている。今回の研究は肺炎球菌の膜輸送体がどのように抗菌薬耐性に関与しているかを解明しており、本研究成果は革新的な感染症治療法の開発に応用できることが期待できる。
|